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    hana_tulip

    デジタル勉強中のアナログ絵描き兼文字書き。

    🌟の二次創作メイン。

    卿ぽよ,dmsd,mtkbメインのバルポポ,ddwd,ddポポも少し。

    最近は一人称メインのお話が多いです。




    @tulip_mama_

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    hana_tulip

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    dmsd。 ブラデさんに相談される二人。(保健体育の話)
    dmsdちゃんの行為をブラデさんが隣の部屋から聞き耳を立てるお話。

    実技ってどんな感じ?ぼくは今、困っています。
     原因は、ぼく達が住んでいる鏡の国の王様をダークとふたりで教育している…その最中の出来事で……。


     〜キャロットキャッスル ブラックデデデの部屋〜


     「なぁ…、ここに書いてある性交って…なんだ?」
     
     産まれ出てきた時は大人な体格で赤ん坊のような真っ新な状態だった彼に、ぼくが日常面や基本の学力、ダークが帝王学や同性としての嗜み等…と教えてきている最中にその事件は起きた。

     「それは…動物が子孫を残すために起こす事で……。」とぼくがしどろもどろに回答したことに対し、ブラデは
     「俺も…するのか?それ。」と、曇りなき眼で聞いてきた。
     ああ、困ったな…どうしよう…と思っていると

     「お前にも大切な奴ができたらするだろう。大事なパートナーと体と心を一つにしたい、相手の為なら命を投げだしても構わない…そう思う相手とじゃなきゃちゃんとした性交とは言えないぞ。」とダークがブラデに優しく答えていく。

     「ん……わかった。俺はまだなんだな。……多分……ダークとシャドーみたいな関係じゃないと無理…ってことなんだろう?」そう答える彼に対し、ぼくは顔が赤くなっていった。

     
     その様子を見たダークがこちらをちらっと見た後、
     「まぁ……そういう事だ。俺とシャドーは一心同体。体も心も互いのためにあり、自分の命を相手に捧げる覚悟を持っている。よくわかっているな。さすが俺たちの国の王になる器を持っている男だ。」と言いながら彼の頭をそっと優しく撫でていく。

     少し恥ずかしいのか、嬉しいのか、ブラデはむにゃ…と綻んだ笑顔を見せながらダークに質問した。

     「なぁ……その性交……ってやつ……俺が二人の実技を見る事は出来ないのか…?」

     その言葉を聞いた瞬間、ぼくは顔から火が出そうになる。
     「いやいや?それは………」と言いながらぼくは続きを喋るのをやめた。
    今ちゃんとした情報がないまま過ごしていって、これから先に他の媒体から正確じゃない情報を鵜呑みにしてしまったら……そう思うと恥ずかしさだけで断ることは彼の為にはならないな……。と、そう思っていたら

     「それは無理だな、互いの合意なしに事に及ぶのは以ての外だし見世物じゃない。……だが……直接見ることは無理だが、隣の部屋から“偶然”聞こえてくる声を拾うくらいならな………。聞き耳を立てるのはいけないが、“偶然”聞こえてくるのなら仕方がない…。それに基本は本に載っているからそれをイメージすれば想像できるだろうしな…。」と、ダークがぼくとブラデに目配せしながら語りかける。

     その意味が分かったぼくとブラデは「「なるほど…。」」と言いながら彼の方を見る。ぼくとしては恥ずかしいけれども直接見られる訳ではないのと、彼にとっても直接的ではないが大体のことは理解できると思う。しかも、それが“偶然”の出来事だったとしたら……。

     良いアイディアだろ?と言いたげな彼の表情にまぁね……と思いながら彼に聞く。
     「その“偶然”はいつ頃なんだろうね…。ぼくわかんないや…。」
    ダークはこの内容にすぐ勘づいたようで
     「んまぁ……シャドーの月のものの関係で……ここ数日辺りじゃねぇか?」と返事をする。
     相変わらず彼はぼくの事を良く知っているな…と思いながら、「了解。」と返事をするぼくらを横目に見ながらブラデがまた一つ疑問を問いかける。

     「月のもの……ってなんだ?月に誰かが居るのか?」
     あぁ……そうだった…その話もまだだった……。ぼくはそう思いながら簡単に女性の体の仕組みを話した。彼が将来できる大切な人の事を理解できるために……。



     気付いたら日もどっぷりと暮れ、ぼく達の家で夕食を3人でとることになった。
    ありあわせの物で作ったチャーハンを2人がかぶりつく様に食べているのを正面で見ながらぼくは、チャーハンとそこに併せて作った春雨スープをいただく。ブラデが家に来るときはいつもよりも少し賑やかにもなるし、大皿もぺろりと平らげてくれるので量が増えるメニューの時に来てくれるのは大助かりだった。そんなことを思っているとほぼ同時に食べ終わり、3人同時に手を合わせて"ごちそうさま"をして、ゆっくりと食後の休みを取ることにした。


     「…なぁ…ブラデ。今日は城に帰る予定はあるのか…?」
     ダークがブラデにそう問いかけると彼は、
    「今のところ城に重大な用事を残して来ていない…。同居人もいないから、どうなっても大丈夫だ…。」と返事をしていた。

     「なら……今日は泊っていくか…?俺たちの部屋の隣の部屋は客室用だからそこを使うといい。」
     本来なら俺たちの部屋ではなく、ぼくの部屋に彼が転がり込んできている訳なのだが……。今はそんな事など全くと言っていいほど関係ないので彼にはその事を伝えずにブラデからの返事を待つ。彼が「泊まる。」と言えば、今日がその“偶然”の日になるのだろう…。

     「……わかった。今日は2人に世話になる……だが……寝巻は持っていない……。」
     あぁ、やはり…と思ったのと同時に、ぼくも寝巻の心配が頭に浮かんだ。そう思った次の瞬間、
     「それなら大丈夫だ。多分いつかはそうなるだろうと思って準備はしてある。お前が寂しくって帰りたくない用に準備しておいたのだが……まさか今日使うことになるなんてな…。」
     ダークはそう言いながらぼくの方を見る。
     多分、今晩覚悟しておけよ……という目をしている。わかっている、ぼくだってもう心の準備はできている……だけど……。

     「な、なら男性陣で先にお風呂先に入っちゃって!!恥ずかしかったら二人別々でもいいんだよ!」
     そう言いながらぼくは一度心を落ち着かせるために2人を浴室に追いやりながら自分の部屋と、隣の布団の準備をしに居間を後にした。


     先に客間のシーツを敷きなおし、軽い換気のために窓を軽く開ける。星がとても綺麗に瞬いていて、すっと部屋を通る風が心地よい。
     「いつか3人で星空観察…したいなぁ……ブラデ…喜んでくれるかな…?」
     ぼくはそう思いながら窓を閉め、自分の部屋に向かった。
    その後も自分の部屋の換気とシーツを敷きなおし、こっそりと引き出しの中を確認する。避妊具の在庫もあるし、いつも使う玩具も置いてある。彼の好きな衣装も縄も全て……。
     「……ダークぅ……。」
     今晩の彼はどんな抱き方をするのだろう。教科書通りのお手本の抱き方か……それとも……。
     「ダメダメ、今からそんなこと考えてちゃ……部屋に入る前にブラデと顔を合わせるんだよ…?」ぼくはほっぺたを軽くつねり、ふたりが居るであろう居間に戻った。


     幸い居間に戻ると二人の姿はなく、ぼくはほっと胸をなでおろす。今頃ダークが同衾の為の男性の下準備…とか言っているのかと思うと顔が熱くなるが、それも彼の将来にとって大切な事……そう思いながらぼくはこの後自分が使うバスタオルに顔を埋めてこの熱を消化しようと必死になる。そうこう言っている間に2人がタオルを頭にかけながら戻ってきた、ブラデはダークに用意してもらった黒色のガウンを着ている。
     「…いい色だね、さすがダーク…ブラデに良く似合っているよ…。」
     ぼくがそう返事するとダークは「…だろ?」と言いながらにやりと笑う。その笑顔をまじまじと見るのが恥ずかしくなったぼくはそのまま小走りし、「じゃ、次はぼくがお風呂の番だから…!」と言い残して居間から出ていくことにした。

     まだ胸がドキドキする。さっきのあの笑顔……彼は普通に笑っただけなのにその奥のぎらっとしたものが一瞬垣間見えたような…気がする。ただでさえ彼に抱かれるのはいつもドキドキするのに今日は壁1枚向こうにブラデが居る……。そう思うと……。
     「からだ…いつもより念入りに洗わなきゃ……今考えただけで濡れちゃうなんて…おかしいよ…。」ぼくは脱衣所の真ん中で、誰にも聞こえないようにそっと呟いた。


     念入りに洗ったぼくが居間に戻ると、ブラデが少し赤い顔をしながら「おやすみなさい…。」と言い、ぼくと入れ違いに寝室に向かう。多分ダークが何か彼に吹き込んだのだろう……僕はそう思いながらダークに近づいた。
     「んもぅ…彼…顔が赤かったよ…?…なんて言ったの…?」
     そう言った瞬間、彼がぼくの体を自分の元に引き寄せ、耳元で囁いた。
     「そりゃぁ……俺たちの仲睦まじい声を聴いて、己のものが我慢ができなくなった時の対策として自慰のやり方を教えていただけだが…?」
     
     そう言われて顔が熱くなる。ぼくたちの声を聞いた彼が独り慰める事…そのことは想像していなかった。体に溜まった熱を発散できずにいる事はとてもつらい事…その対策までも彼は考えていたのか…そう思うと今日のダークの考えは…ある意味男の大人の先輩というのか…兄貴分の考えというのか…そんな感じがした。

     「………さすがダークだね…そこまで考えていたなんて……。」
     耳元に熱い息がかかるくらいの近い距離、すごく心臓がどきどきする…。
     「まぁな、俺がなった時凄く苦労したからな……。」
     そう言いながら彼はぼくを熱い眼差しで見つめる。
     
     「お前が女だと知ってから……俺が一度お前の元から居なくなる前まで、お前の事を思って昂った感情を発散させるのは大変だったんだぞ…。」
     彼の息が熱を持って荒くなり、自分の足元に何か硬いものが当たる。あぁ、彼はぼくに対して欲情しているんだな…と思うとぼくの大事なところもきゅん…となった。

     「ごめんね……その時は気付かなくって……今でもはちきれそうで辛いのに…あの頃はもっと……。」
     そう言いながらぼくは彼のものを優しく撫でる。彼の口から「くっ…!」と我慢した声が聞こえて、それに反応してぼくのものが疼いた。

     「……ね……ダーク、…部屋……行こう…?ぼくももう…我慢できないや…。」




     カチャリ…と部屋の扉が開き、ぼくとダークが部屋の中にゆっくりと入る。
    扉一枚隔てた向こう側に彼がいる……そう思うと先程まで隠れていた恥ずかしさがむくむくと湧き上がる。

     「ダーク……あの……。」
     ぼくの動きに反応したダークが
     「シャドー…、お前はいつも通りベッドに横になれ。……俺が沢山愛してやる。」と言いながら扉を閉めた。
     あぁ、もう後戻りはできない……このままぼくは…。そう思うといつも以上に緊張してしまい、体が強張る。ベッドの上でダークを待っている間もドキドキが止まらなくって少し目が潤んでしまった。


     「お前も……緊張しているんだな……。そうだよな……。」
     ダークはそう言いながらぼくの唇に自分の唇をそっと重ね、軽く口づける。

     「口…開けろ……お前の口の中…もっと味わいたい……。」
     彼はそう言いながら舌を割り込ませようと必死になっている。普段は言葉にせずに自然な成り行きで……だったので少し驚いたのだが、彼に聞かせるために解説をしているのだと気付き、そっと口を開いた。
     「あっ……んっ…ふぅ………。」
     彼の舌がぼくの口の中にゆっくりと侵入してくる。柔らかくてあたたかい……そんな彼の舌に夢中になり目を閉じる。彼の甘い唾液がぼくの唾液と混ざり合い喉の奥に流れ込んでいく…ふたりがひとつになる瞬間……こんな幸せなことはない……ぼくはそう思いながら喉を鳴らし、一口もこぼさないように飲みこんだ。




     彼がぼくの事をお前と呼ぶときは、照れ隠しか余裕がない時……多分今日は後者だろう…そう思いながら彼の後頭部に向かって手を回そうとして彼に気付かれ押し倒される。ぽふん…としたマットの反動と、シーツの清潔な香りに良い匂い…と思うのと同時に今後の為に防水シーツを挟み込んでおいて良かった…と思いほっとする。
     
     「何考えてるんだ…?俺以外の事を思っていただろう…?」
     そう言いながらダークはぼくのスリットをそっ…と撫でた。

     「んぁ……っ!!」
     ここに来るまでの間に彼のものに軽く触れた事も有り、ぼくのスリットの奥は愛液で潤っていた。彼はそれを知ってなのか優しくスリットの周りを何度も何度も撫でてくる。
     「あっ…やっ……そんなに焦らさないで…っ!!」
     早くダークの指が欲しい、もっと奥まで入ってきて欲しい…。そう思いながらダークの方を見ると彼も少し余裕がないように見える…そう感じた。

     「ダーク……もういいよ…ぼくのここ…しっかり濡れているから……だからダークの指でぼくの小さなここを優しく撫でながらもっと気持ちよくして……。」
     ぼくにできるのは、今の自分の状況を言葉にしながらダークの事を迎え入れて、隣の部屋の彼に分かりやすく現状を説明すること……。そのためなら少し恥ずかしくても頑張れる…。そう思いながら優しくダークに語り掛けると彼も気付いたのかぼくのリクエスト通りにぼくの蕾を優しく撫でてくれた。

     「あっ……ダーク……。」

     風呂上がりのグローブを外した彼の手が汗でしっとりとしているのを肌で感じていると、反対の手がぼくの頬をそっと掠めてやさしく撫でる。
     あぁ、君の温かい手がぼくの肌に触れる度に心も体もキュンキュンして君の事を求めているんだよ……。ぼくはそう思いながら彼の方を見る。

     「……シャドー………。シャドーのスリットの中…もうぐちょぐちょじゃねぇか……。」そう言いながら彼が何度も蕾を弾いたり撫でたりする度にぼくの蜜壺から愛液がとろり…と流れ出る。

     「んぁっ……やだっ……ぼくのそこ……ピンって弾いたり…しないでぇっ…!」
     スリットの両縁が膨らんで、ぼくのものが彼のものを迎え入れる準備が着々と進んでいく中でぼくは彼の下腹部に向かって視線を落とす。そこにははち切れんばかりの彼のものが涎を垂らしながら天を仰いでいた。
     「ダークの……おちんちん…よろこんでる……。いっぱい…よだれ垂らして……ぼくのナカに…入りたいって言ってるよ……?」
     壁の向こうで聞き耳をたてているであろう彼に向かって現状を説明するように語り掛けると、普段そんな事を言わない事に驚いた彼のものがビクン…と動いた。
     「お前……そんな風に言われると……我慢できなくなるだろうが…!ちゃんと解さないと……シャドーが辛いだろう…!」
     そう言いながらダークが指を僕の中に沈めていく。その侵入される指の感触が心地よく、ぼくは思わず声をあげる。

     「あぁっ…!!気持ちいい…気持ちいいよぉっ…!ダークの指がぼくのナカで優しく暴れるのぉ…っ!!」
     「シャドー……っ!!」
     普段だったら恥ずかしくて言えないような事をぼくが次から次へと語ることでダーク自体も限界をむかえているようだった。たくさんの汗が彼の体から溢れ、ぼくの上にぽとん…と落ちる。
     「もう……ダーク……来て…!!君の指もいいけれど………ダークのが……ダークのおちんちんが…欲しいのぉっ……!!」
     

     我慢できずに今までの中で一番色っぽく彼に強請ると、彼はぼくの中から指をゆっくりと引き抜いた。ぼくは指が抜けたことを確認しながら自分の腰を浮かし両足をあげてスリットの奥の蜜壺の入口を彼の方に見せつける。たらり…と彼が指を抜いたときに溢れたものがゆっくりとお尻のほうに垂れていく。
     彼は二、三度自分のものを扱きながらゆっくりとぼくの腰を持ち上げつつ蜜壺の入り口に宛がって、ぐっと力を入れながらぼくの中に彼のものが完全に埋まるくらいの奥深くまで挿入した。


     「んっ………はぁぅん……っ!!」
     彼の熱くて大きい、逞しいものがずぶり…と入ってくる。その感触が堪らなくって思わず甘い息がこぼれ、頭が真っ白になっていく。……それに…彼のものがいつもより硬くって……ぼくの中で激しく何度もピクピクと大きく脈を打っている。

     「あぅ…っ!……あぁっ…!!」
     言葉にならない声が部屋に響く。彼はぼくが落ち着いたのを確認して、ゆっくりと抜き差ししながら体を動かし始める。

     ずぶ……ぐちゅ……とぼくの浅い所から深いところまでを万遍なく攻める彼のものがぼくのナカの気持ちい良い所ばかりを掠めてその度に頭の中と体の奥がトロトロになっていき、ちいさな蕾もぷくり…といつも以上に大きくなりながら段々と敏感になっていく。そして彼の先端がぼくのナカの手前にある、とある部分を掠った時……ぼくは一瞬意識が飛びながら体が痙攣し、その後力が抜けてゆっくりと大きな息を何度も吐いた。

     「あっ…はぁっ……。んぅっ……。」
     まだ体がピクピクする。一瞬にして最高潮を迎えたような形でぼくは荒い息をする。
    そんな状態でもダークは衰える事もなく同じリズムで腰を打ち続けてくる。

     「やぁっ…ダーク……ぼく…まだ無理ぃっ……。」
     そうぼくが懇願しても
     「今…シャドー……イったよな……?俺はまだイってねぇんだ………もう少し俺に付き合ってもらうからな……。」と言いながらさっきよりも早いリズムでぼくの最奥に向かって腰を使い最奥へ叩きつけるのと同時に、彼の右手の指先がそっとぼくの熟れた蕾に手をかけて軽く押さえながら小さく円を描いていく。


     「あっ!やぁっ!!だめぇぇっ!!」
     彼がそこを押す度にぼくのナカから愛液とは違うサラサラとした液体が、ぷしゃ……と溢れるように流れていく。
     「ははっ……。俺の指とココがあまりにも気持ちよくって潮噴いているのか…?……いいぜ……シャドー……。」
     パンパンと体と体がぶつかり合う大きな音と、ぱちゅぱちゅとした水音が響く中でぼくは段々と意識が遠のきそうになる。そんなぼくの姿を見たダークがにこっと微笑みながら
     「シャドー………イくのか…?……くっ……!俺も………もうすぐイくからな……っ!」
    と更に深く突き挿した。
     「あひぅ……っ!!だぁく……だめ…っ!…ぼく…イク……イっちゃうぅっ!!」
     心も体もぜんぶぜんぶダークに満たしてもらい、幸せなまま彼のものを受け入れたくってぎゅっ…と下腹に力を入れる。その瞬間、ダークも限界が来たのだろうか…低く苦しそうな声の後に彼のものが一段と大きくなり、それからひと息もつかないうちに どぷ…どぷ…… と彼の温かいものが蜜壺の最奥に注がれていた。


     「ダーク………これで…彼は……わかってくれるのかな…?」
     ベッドの上で息を整えながらダークに語りかけると、彼もぼくと同じく息を整えながら「さぁな……。」と答えた。
     「でもまぁ……今晩はまだ始まったばかりだぜ…?今日は色々と付き合ってもらうからな…。」
     そう言いながらダークは終わって少しすっきりしたのか、にやりと笑いながらこちらを見た。
     その姿を見たぼくは彼の事を可愛く…そしてカッコよく思い、頬が段々と熱くなっていくのを肌で感じていく。
     「どうする…?たまにはシャドーの好きな衣装でも着て、ブラデの近くの壁まで行って…とかはどうだ…?」
     そう彼に言われてぼくは頷く。
     彼の発言に胸がときめいたのと同時に、先程まで彼のものを求めていたのにまだ足りないよ……と体が反応していることに気付く。下半身がキュン…となり、さっき彼に出されたものが自分のものと混ざってトロリ…と垂れていくような感じがした。
     「……ってことはシャドーも同意で良いわけだな……。なら…。」
    彼はそう言いながらゆっくりと引き出しを開けて衣装を選び、そっとぼくの前に置く。
     
     「今日はこれを着て散歩にでも行くか?シャドーは可愛い子犬だもんな……?」
     その衣装とは……黒いリボンとレース地の可愛い拘束具と黒みがかったシースルーのランジェリーのセットだった。


     
     
     ぼくを着替えさせるためにグローブをつけた彼が口角を軽く上げながら微笑む。
     彼はベッドの上にぼくを立たせながらバンザイの格好をさせて、綺麗に畳まれていた素肌が見えるメッシュ地に胸元に黒い花柄のレースが入ったふわっとしたラインのベビードールを上から被せるようにして着させた。そして一度胸元までおろした下着の肩ひもを彼がゆっくりと上げていく。ぼくが自分が変わっていく様子にうっとりしていると、彼はそのまま休まずぼくの首元にランジェリーと同じ黒色をしたレースとリボンのチョーカーを結んでいく。
     そのチョーカーの真ん中には キラリ… とぼくの好きな花のデザインをしたラインストーンが光り、これから始まるぼくたちの行為を喜んでくれているかのようだった。

     「今は俺に従う従順な犬だからな…。」
     そう言いながら彼は同じ素材でできた手枷をぼくの腕につけていく。着け終わった頃には両方の手枷とチョーカーを繋いでいる細くて少し長めの鎖がシャラ…と音を立てながら垂れ下がり、その音を聞いたぼくは嬉しくなり思わず身震いをした。
     「はぁ……可愛い……シャドーは本当に可愛いな……。」
     いつもより饒舌な彼が優しく背中を撫でながらそのまま体のラインに沿いながらぼくの下半身へと手を滑らせていく。先程まで彼のものを受け入れていたところからとろり…と2人のものがグローブに溢れて垂れていく事も気にせずにそのまま彼は人差し指をぼくの中に挿しこんでいく。

     「んっ………。」
     体がムズムズして思わず体をひねる様に動かすと、後ろにいる彼と目が合った。
    ぼくはそのままゆっくりと目を閉じて彼の動きを待つ。すっ……と近くに彼の気配を感じる……そう思った瞬間、彼の唇がぼくの唇と重なった。
     「んっ……ふぅ……。」
     自然と開いた口から割り込んできた彼の舌に絡めるようにぼくの舌を動かし、優しく彼の舌を吸う。上下から聞こえるぴちゃぴちゃという水の音が、ただでさえ酸素が少なくなっている今の状態のぼくには頭の中が蕩けるくらいの魅力的な音に聞こえていた。
     あぁ、すごくくらくらする…。
     
     「……っと。」
     すこしふらついたぼくを支えるために、ダークは唇とナカに入っていた指をそっと離す。
     「あっ………。だぁく……。」
     ごめんね……と言おうと思い、ぼくが口を開けた瞬間……。

     「……悪い子だな……そんなシャドーには仕置きが必要だ……。」
     彼はグローブについていた2人の愛液を舐めながら、意地悪そうに口角を上げてニヤリと微笑んだ。
     


     「まずは……そのままベッドから降りてゆっくり壁の前まで動くんだ。」

     ぼくは彼から言われた通りにゆっくりと壁の前まで移動する。
     「そうだ…えらいぞシャドー…。なら次は扉の前まで移動しろ。」
     えっ…!まさか…!!と思いながらゆっくりと扉の前まで移動すると
     「まさか扉を開けると思ったか…?……こんなに魅力的なお前の姿……あいつに見せるわけがないだろう?」と彼は言いながらぼくの正面に立ち、ゆっくりとぼくを座らせて目の前に自身のそそりたったものを見せつけた。

     「……シャドー……今ので勃った……俺のを舐めろ。」

     彼の先端からは、さっき出したというばかりなのに透明な粘度のある先走りがトロトロと流れ出ていて、それまで愛し合っていた2人の渇きかけた愛液と混ざっていく。独特の体液の匂いが自分のまわりに纏わりつくのが嬉しくって、くらくらしながらぼくは小さな舌で彼の竿の部分をチロチロと丁寧に何度も舐める。
     自分の体液の後を引く苦みと、彼の体液の少ししょっぱくて苦い味…先端の先走りの濃度が段々と濃くなっていくことを舌で感じながらゆっくりと口全体で彼のものを包み込み、咥えながら先端を舐めるとその度に彼から熱い吐息が漏れ、気持ちよいのかピクピクと小刻みに動き、蕩けた表情で天井を見上げる様につま先をピン…としながら体がゆっくりと反っていく。

     あぁ…幸せ……ぼくのおくちで彼が凄く喜んでいる……そう思いながら彼に向かって上目遣いをすると、ダークは体勢を整えながら「……利口だ。」と言ってぼくの頭を撫でた。嬉しい……もっともっとダークに喜んでもらいたい…ダークもぼくももっと気持ちよくなりたい……そう思ったぼくは
     「ダーク……次はどうすればいい……?」と熱のこもった視線を彼に送りながら問いかけた。


     「もう少し右……そう、そこだ…。」
     先程のぼくの問いに対して彼は、「そのまま部屋の中心から奥の方に向かい、壁に手を付けるんだ。」と答え、にこりと笑った。その要望に沿うようにぼくは壁に手をつけ、つま先をぴんとしてまるで壁に腕立てをするような形をとることになった。
     そして壁に手を付けた瞬間、シャラ…と鎖同士がぶつかり合う音がしてどきり…と胸が高鳴っていく。それと同時に、お尻を彼に見せつけるような姿になっていることに気付き、恥ずかしくなる。
     「ダーク………これ…恥ずかしいよ……。」
     そんな僕の様子を見たダークが、レースのベビードールの縁をふわり…と捲り上げる。潤んだ瞳に手枷と鎖が繋がっている首輪、そして捲れた先にあるぼくの臀部から見えるトロトロに蕩けたスリットの先にある蜜壺の入り口……。彼のものを刺激するには十分だった。

     「シャドー……上出来だ……。ご褒美をくれてやる……そのまま……動くんじゃねぇ……ぞ…っ!!!」
     そう言いながら彼は昂った自身を勢いよく、ぼくの蜜壺目がけて挿入した。



     「んくぅっ!!ああぁぁっ!!!」
     ごりごりと彼のものの先端がぼくのナカの気持ちい所を掠めていき、最奥までたどり着く。
     「あっ!はぁっ!だぁく!!だぁく!!いいぃっ!!」
     彼が動く度に両手に繋がっている鎖がジャラジャラと鳴り、さらにぼくを興奮させる。
     「はっ………シャドー……さっきよりも感じてるんじゃねぇか…?お前のココ、俺のモノをしっかり咥えて離さないぞ……。」
     そう言いながら彼は抜けるギリギリまで腰を引き、その後勢いよくまたぼくのナカに腰を打ち付けていく。

     「あっ!ひゃん!!だめぇっ!そりぇ……きもちいいのぉっ!!」
     それまでの行為で子宮への入り口がとろとろに蕩けているところにダークのものが激しくノックする。ゴリゴリと彼のものが当たる度に奥が堪らなく疼き、逃してはなるものかと締め付ける。

     「んぅ……だぁく……だぁく……。」
     あまりの気持ちよさに言葉が減っていくぼくの姿を見たダークは、
     「…壁の向こうのアイツの声……聞こえるか?……シャドーの声を聞きながら、あいつも気持ちよくなってるぞ…?」と言いながら抱いているぼくの向こう側にある壁を見つめた。


     かあぁ……と今まで以上に全身が熱くなるのと共に今まで出していた声も引っこむ。そして壁の向こう側では普段は聞くことのない彼の唸るような声や荒い息遣いが聞こえ、その声は普段は優しい彼がまるで獣のようにすら思えるほどの強さと声の低さと大きさだった。

     「ん……ぐっ……う……がぁ…っ…!」

     壁が有ることで少し小さく聞こえるが、何を言っているかははっきりと聞こえる。……ということは今までの声もはっきりと聞こえていた…という事で……!!!


     「ぴみゃぁぁぁっ!!!」
     ぶわわ…っ…!と恥ずかしさの感情が強まって、ぼくはそのまま前に倒れ込むように崩れ落ちる。その瞬間、彼のものがぐっ……と更に奥に入り込んでいった。

     「あぅっ!!ひぁっ!!駄目!駄目ぇっ…!!」
     奥の一番敏感なところを攻められて我慢ができなくなり、ぼくはぷしぷしと熱いものを彼のお腹に垂らしていく。その様子を彼は喜びながら何度も何度もそこだけ重点的にぐりぐりと攻め続け、ぼくがイク事をまだかまだかと待っている様だった。
     
     「ダーク……ダークぅ……恥ずかしいけどイッちゃう…イッちゃうのぉっ……!!」
     ぽたぽたと噴いた潮がラグに染みを作っていくことも気にせずにひたすら彼と一緒にイきたいと願ったぼくに

     「いいぞ……俺も…もう…無理だ…。一緒にイクぞ……!」
     「ダーク!!ダーク!!あああぁぁぁっ!!」
     「んっ…!く…っ!シャドー…っ…!!」 

     と言いながら彼はぼくが締め付けた事で気持ちよくなったようで、苦しい声を出しながらも2度目の精をぼくの中から溢れ出そうなくらい沢山の量を吐き出した。 


     
     彼のものが繋がったままの状態で、ゆっくり息を整える。一回目の時とは違って冷静になっていく頭で色々と考えてしまう…。

     …まさか……壁の向こう側というだけでもこんなに恥ずかしいとは思ってもいなかった。ベッドの上では隣の部屋とは距離があって彼にははっきりとは聞こえていないだろうとは思ってはいたけれど……壁伝いであれだけしっかり聞こえていたのならばさっきの恥ずかしいことも沢山ブラデに聞こえていたわけで……。これから彼にどう接すればいいのか……と悩んでいるぼくの後ろでは、彼も何か考えているようで…じっとこちらを見ながら真面目な表情をしていた。

     「だぁく……。」
     ぼくの声に合わせてシャラ……と鎖が鳴る。その様子を見たダークがゆっくりと口を開いた。

     「多分だが…あいつも今日の事で性交がどういうものなのかは解ったはずだ。……それに……。」
     「それに?」
     なんとなく話の続きが気になりそのまま彼に話を続けてもらおうとした瞬間…
     「あくまで教科書は最低限の基本を並べたもの……恋人同士の愛し合い方の手引きなんてある訳がない、ふたりにはふたりの愛し方がある……それをあいつには解って欲しかった。」冷静…そして淡々と彼は語り続ける。
     
     「あいつは多分………同じ種族の者はオリジナルの奴しかいない……それ以外は俺たちと同じような体格の奴ばかり………。それに愛する相手は異性とは限らないしな、種族も性別も超えた愛を見つけるかもしれない。だからこそ俺達が手本を示そうと……。」

     普段はこんなにも語りかけない彼に驚きながらも、ブラデの事を大事に思っていてくれたことに少しうるっ…ときた。だが、体と心に少し残る違和感が気になってぼくは彼に問い掛けた。
     「……そう言いながら……また大きくなっているのは……なんでかな……?」
     「そりゃあ……恋人が好きな格好で好きな体勢をしていたら誰でも大きくなる……。シャドーだって俺に対してそう思う時くらいあるだろうが……。」
     恥ずかしそうにする彼の姿を見て胸がきゅん…となる。
     「そりゃあそうだけれど……。一回休憩しようよ……ぼく……。」
     そう言いかけたぼくに対し彼は
     「……無理だ。」と言ってゆっくりと腰を動かし始めた。



     「あぅぅ…ふぅん……っ…!」
     今までとは違ってゆさゆさと優しく前後に体を動かしながらの行為に蕩けそうになる。二度の絶頂で更にふわふわになっているところを何度も何度も彼のものが往復する。その彼のものもそれまでとは違い、硬くはなっているが張り詰めて限界を感じるほどの硬さではなく……まるで安心した緊張感でぼくのナカをゆっくりと攻めていく……。そんな感じだった。

     「シャドー……向き……変えていいか……?お前の顔を見ながらイきたい……。」
     優しく…蕩けそうな声……そんなぼくに溺れて蕩けている彼の顔が見たくって…ぼくは
     「うん……ぼくも君の顔が…見たいなぁ……。」
     そう言いながら彼の方を振り向く様に体を動かした。

     ぐりゅ……と彼の先端がぼくの気持ちいいところを刺激する。繋がったままで背後位からゆっくりと互いの顔を見つめあえるようにと動いている瞬間……あまりにも触れられたところが気持ち良過ぎて我慢できずに体を震わせてしまった。ぼくの体は横を向いたまま動けずにいると、彼はぼくの頭を撫でつつ優しい声で
     「今……すごく気持ちいいんだろう?なら……そのままシてもいいか…?」
     と囁きながらゆっくりと動き出した。


     ラグの柔らかさを肌で感じながらゆっくりと目を閉じる。両手を前に重ねるように持っていくと首と手を繋いでいる鎖がシャラ…と揺れてラグに向かって垂れて落ちていく。衣装と装具に似合わない温かい空間………この感覚もぼくは好きだった。
     天に向かって伸ばしている左足は彼の手でぎゅっ…と掴まれており、その掴まれている力さえも心地よく感じる。

     「んっ……だぁく………気持ちいいよ……。」
     愛し…愛されている……そう感じながらぼくは甘い吐息を漏らすと、彼もその声と吐息に思うことがあったのか…ぼくのナカでピクリ…と小さく反応した。
     君のココも、心もぜんぶ大好き……。本当に昼間に君が言っていた『心と体を一つにしたい』……そう思える相手とじゃなければ本当のえっちって言えないよね……。

     「だぁく……好き……。」
     この言葉は目を開けてちゃんと伝えたいと思いそっと開け瞼を開きながら彼に向かって呟くと、彼の顔が段々と赤くなっていき……照れて今までで一番真っ赤な顔をしながら
     「俺だって…シャドーの事を好きに決まってるだろうが……!」と少し恥ずかしそうに早口で答えてくれた。
     あぁ……君からの言葉……凄く嬉しい………本当に…愛しているよ……ダーク……。
    そう思いながらぼくはゆっくりとお腹に力を入れていく。

     「うっ…あっ…!シャドー……っ!!」
     「ダーク……ダーク……好き……大好き……愛してる………ずっと……ずっと一緒だよ……。」
     彼への愛の言葉が次から次へと溢れ出るのと同時にほろり……と涙がぼくの目尻から垂れていく。もう彼が居なくならないように……彼が戦いで命を落としませんように……そんな気持ちが段々と涙になり流れていく。

     「あぁ……わかってる……これからもずっと一緒だ……シャドー……愛している……。」
     そんなぼくの気持ちが伝わったのか、彼が優しい声で愛を囁いてくれる……。それと同時に彼の動きが少しずつ早くなっていき、互いの息も段々荒くなっていく。

     「あっ……んぅっ……!だぁく………イっていいよ………ぼくも………ぼくも……。」
     「シャドー………。」
     鎖がぶつかり合う音の感覚が段々と短くなっていくのと同時に、ぼくとダークの呼吸も鎖の音に併せてシンクロしていく。


     「んっ……あっ……ダーク……イク……イク……イっちゃうぅぅっ……!!」
     「ぐ…ぅぁ……っ……シャ………ドー………っ!!!」
     とろとろに蕩けているぼくのところに彼のものが注がれていく……今までの二人のものに混ざっていく事の幸せを感じつつ、ぼくと彼は互いに見つめあいながら微笑んだ。



     「ブラデ……聞こえるか…?」
     落ち着いた後、ダークが壁に向かって問いかけると暫くして向こう側から小さな声で返事があった。

     「……大体の事はわかったか…?」と彼が質問すると、「……ああ。」と返事が返ってくる。
     「……昼間言った事……覚えているか………?さっきまでお前が壁一枚向こう側で聞いていた俺たちの声は……苦しそうに聞こえたか…?」
     ダークが淡々と彼に質問をする度に向こう側からの返事がきちんとかえってくる。今の質問にも「……苦しそうじゃなかった……はじめは大丈夫かと心配だったが……ふたりとも……幸せそうだった……。」と言葉を選んで返事をしてくれた位だった。

     「ブラデ……。」
     それまで無言で聞いていたぼくが小さく呟くと
     「俺もいつか……二人みたいなパートナーと共に歩んでいきたいと思った……。」と明るい口調で声が聞こえてくる。その返事に喜んでいるとダークが
     「良い決断だ。…勿論性交は愛情を確かめる事以外にもシャドーがはじめに言っていた『子孫を残す事…』この事が一番大事な事だからな。快楽ばかり求めてその事を忘れるなよ。」と少し強い口調で彼に伝えていく。子供かぁ……できたらいいなぁ…。と思っていたら

     「…分かった。…ふたりにもできたらいいのにな。そうしたら多分、シャドーが喜ぶ…。」と、向こうから声がした。 ブラデ……そういう風に思ってくれていたんだ……と思ったのと同時にダークが
     「……そうだな。俺がシャドーを幸せにする。だからその時は…お前もお祝いして欲しい。」と優しく彼に語りかけた。

     ありがとう……と思いながらぼくはゆっくりと微笑む。そして安心したのか急に眠気が襲ってきて……ぼくはそのまま眠ってしまった。


     次に目を覚ました時はベッドの上で、下着はつけたままだったが首輪と手枷は取れている状態で、横には彼が寝息を立てて眠っていた。
     暗くてはっきりとはわからないけれど…多分片付けてくれているのだろうな…と思いながら部屋の方の視線とは反対側にいる彼の方を見ると、寝付きの悪い彼がぼくの隣で安心したのか熟睡していて反応が無い状態だった。ぼくもその様子を見て安心し、そのまま瞳を閉じてまた眠りについた。


     朝食の時間になり準備をしているぼくのところに二人とも欠伸をしながら眠そうな顔をしてやってきた。ブラデはもう着替えが終わっていて、畳んであるガウンを下洗いしようと洗面所に向かうところだった。ダークは洗剤の場所を教えながらその流れで手と顔を洗いに行く。
     洗濯ならぼくがやるのに…とも思ったが、昨晩の事もあって自分でやりたいのだと思い何も知らない振りをしながら準備をしていく。
     昨晩の間にダークが話をしてくれたおかげで、今こうして互いを意識することなく過ごせていると思いほっとする。

     そうこうしている間にバタートーストに小さなサラダ、ベーコンエッグとコーヒーの準備が終わり二人を呼ぶと、各自調味料を持ちながら各自の席にやってくる。
    3人揃って“いただきます”をしながらそれぞれ好きなものから順に食べていく。全員恥ずかしいのか食事中はほぼ無言だったのだが、ぼくが食後のコーヒーを飲んでいるところにブラデが口を開いた。

     「これから……アイツみたいに……俺を慕う者達と共に城で過ごしたいと思っている……。どうだろうか…?」

     とても魅力的なその話にぼくもダークも首を縦に振る。確かにボス達も彼の能力を買っているので付き人ができる事に不満はないだろう…と思った。

     「良かった……なら…近々皆に確認しながら色々とやっていこうと思う………。そのほうが……ダークとシャドーが……二人仲良く過ごせる………。」
     コーヒーを一杯ごくり…と飲みながら彼の顔が段々と赤くなっていく。多分……昨晩の状況を思いだしているのだろう……。

     「そ…そんな…!!ブラデ!気を使ってくれるのは嬉しいけれど、そんなに君が考えている程ダークといちゃいちゃしてないからね?」
     ぼくが慌てながら弁明しようとするとダークが
     「……ふぅん…?」と言いながらにやりとした顔でこちらを見る。

     「……それに……俺も……早く一人前になって二人と共にこの鏡の国の平和を守りたいから…。」そう言ったブラデの顔は凛々しく……少し成長した…と思わせた。


     「良い判断だ。お前はこの国の王となる人物だと俺達は思っている。それに俺としてもお前と共にこの国を守れるのならば……そのための努力は惜しまない。」
     そしてダークの表情も…今まで以上に凛々しかった。

     「なら…朝食終わったらお城に戻ってその準備に入ろうか…?」
     ぼくが二人の顔を見ながらそう言うと、

     「いや……シャドーは………昨日のことで辛そうだから……無理するな……。」
     「………確かに。お前には見えないところに俺の所有印もつけたことだし、他の奴らの目に入るとな……。」
     と、ほぼ同時に返事が返ってくる。

     「えぇぇ!?噓でしょう?ダーク……。」
     昨晩の彼の行動に全然気付かず驚いているぼくの姿を見てダークが
     「……嘘だ。」とニヤリと微笑む。
     そして彼の返答に対して安心し、ほっとしているぼくの姿に驚くブラデを見たダークが、
     「…お前もいつか恋人に変な虫が付かないよう、相手を牽制させる手段を覚えておいた方がいいぞ。」と低い声で呟いた。

     えっ……?

     「……そうだな。ダークは昨晩の事で俺を試した……とも思っていたし…。」

     えっ…?ええっ……?

     「……まぁな。…お前が行動を起こしたらいつでも剣を構えようとは思っていたが……杞憂に終わって良かったな。」

     えぇぇぇぇぇっ…?
     
     「……俺は師と思っている二人の事を裏切るような事はしない。……それに今回は…ふたりが仲睦まじく過ごしていたことが刺激になって寝る前の彼に言われた処理をしただけだ……ほかに疚しい気持ちは一欠片もない。」


     「……だそうだ。シャドー、まぁどちらにしても今日はお前の体調面もあるからとりあえず計画だけは立てるとして、あとの準備は俺たちに任せて洗濯を頼む。……こいつに昨日のモノ……見られたくはないだろう?」


     「あっ……あぁっ……。」
     染みだらけのラグやベビードールの存在を思いだし、ぼくの顔が段々と熱をもち赤くなっていく。二人はその様子を見たのちに互いに見つめあって

    「「やっぱりシャドーは可愛いな」」と笑ったんだ。


      はぁぁ…ひとつの悩みは解決したけれど………まだぼくは、困っています。……でも、これは多分嬉しい悩みなんでしょうが…。


     (パートナーとしての愛情が溢れているダークと、ぼくに対し憧れの師としての愛情が溢れているブラデ。…ふたりの愛情がこんなにも重たいものだなんて……。でも、ぼくもダークを永遠のパートナーだと思っているし、ブラデのことも大事な『次期王様』兼、信頼している仲間だと思っているから……重たい愛情は一緒かもしれないなぁ…。)
     そう思いながらぼくは「ふふっ…」と口元に手を当て、小さく笑った。

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