年下×年上春を迎えて弘が年長に上がり通ってる幼稚園にも新人の保育士が就任した。出稼ぎで居ない父親と外せない残業で仕事が長引く母親に代わり、進級して高3になり進路に追われている実弥は多少のストレスを抱え面倒臭いなあと思いながらも、よちよちと付いて回る甘えん坊の可愛い弟のお迎えに行った。
出入り口に立つと早速ウロウロしていた子供が実弥に気付き大きな声で弘を呼んだ。同じ組の子が口々に、ひろくんのお兄ちゃんだ!と挨拶してくるものだから思わずストレスで凝り固まった頬も緩むというものだ。そうこうしている間に奥の方からてちてちと聞いたことも無い足音が聞こえそちらを向く。
長い黒髪、白い肌、分厚い睫毛と黒目がちな大きい目、小さく色付いた唇でふんわりとした微笑みを浮かべ、二度見三度見したくなるような美人が弘の手を引いて立っていた。
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