OH MY GOLDEN”HOT”BEAR 幼い俺が前世の記憶を取り戻したとき、俺の目の前にいたのは新しい人生を謳歌している兄貴だった。そんな兄貴に倣って、俺も平和な世を享受しようと決めた。それからはもう開き直って、この娯楽と学びに満ちた今生を楽しんで生きている。
ここマーレ州では俺やベルトルトのように、細部まで前世の記憶が戻った人間もいれば、ライナーのように記憶があやふやなままの奴も多くいる。だが大方は前世にとらわれることなく生きており、俺とライナーの関係も前世のそれとは違って良好だった。
俺の一番の趣味であるカメラの被写体として、ことライナーは最高だ。高校時代に「再会」して以来、俺は奴の写真を使って幾度も賞をとったことがあったし、ブロマイドを売って随分儲けさせてもらった、のだが。
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