シュークリムル(ヴェルドラ視点)光、と呼ぶには鈍すぎる色だ。が、日の照る場所ならば眼を細めないと眩しいほどには存在感のある銀糸の髪をキラキラ輝かせながら、リムルは我の横を駆けていく。
「そこにいろよ。ぜったいに、ぜったいに! そこにいろよ!」
なんて、まるで我が小さく分別のない子供のような物言いだ。しかし我はかっこいい大人の男であるから、いちいちそんな事には腹をたてん。了解したと手をひらひらさせて合図すれば、リムルも肩を竦め、ようやく目当ての店に駆けていく。
(全く、心配性なものよな……)
リムルの性質上仕方がないとはいえ、我に対して過保護な扱いをしてくる。それがこそばゆい時もあったりするので、まあ我もリムルの事をとやかくは言えんのだが。
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