運命の日 その日が近づくと体が重くなる。
爽やかな晴天が続き初夏の気配を楽しみやがて梅雨に向けて気持ちが塞ぎがちになるのだろう、体の不調に関して周りの評価はこういった具合である。確かに気候的にもいわゆる梅雨不調なんて言葉もあるくらいだから実際そうなのかもしれない。だがコンスタンティノスにとっての5月下旬というのはあまりにも大きな意味を持っていた。
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5月下旬は心が弾む。それは現世では無い。前世の……自らの憧れを、夢を掴んだ日が近いからだ。気分も体調もすこぶるよく何をしても上手くいくのがこの時期なのだが、自らの恋人は真逆らしい。当たり前と言えばそうか、と来月中旬までに提出しなければならないレポートを打つ手が止まった。
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