一番嬉しい贈り物店頭にある陳列棚を端から順にゆっくりと眺めた。定番の物から新たに出た品まで、ありとあらゆる璃月に因んだ特産品が、所狭しと並んでいる。
ふと、右側の方に目にしたことのない物が積み上がっているのが見えた。崩さないように、そっと一番上の一つを鍾離は手に取った。
手套越しでもわかる、もちもちとしてふんわりとした心地よい手触りに、淡い金色と灰色の二色で彩られ、ちょうど鍾離の掌に収まる位の大きさをしたそれは、金ヤマガラを模したまん丸なぬいぐるみだった。つぶらな瞳の傍には朱色の化粧が小さく施されていて、愛らしさに拍車をかけている。
初めて見る物だった。その可愛らしい風貌に癒やされて思わず頬が緩む。もっちりとした弾力もやみつきになりそうだった。改めて持っている物を正面から眺める。新たな出会いに鍾離はほぅっとため息をついた。
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