ある「元」光の戦士の6.01その6クルザス中央高地から黒衣森に入ってすぐ、フロランテル監視哨にて焚き火にあたる。
「助かります」
フィーネは相棒のチョコボと共に暖を取る。
「リゾルート大牙士のお役に立てて、光栄ですよ」
「あ、私の階級まだ生きてるんだ」
「当然ですあなたは我が双蛇党全員の目標のような存在ですから」
双蛇党に所属してから私、何かしましたっけ。とは言わないでおいた。
「この間も、ものすごい活躍をされたとか。ぜひ、その時のご活躍の話を……」
雲行きが怪しくなってきた。今、長話をするのはちとしんどい。
「ごめんなさい、先を急がないと」
フィーネは立ち上がってぱん、ぱんとお尻についた土を払い、鱗に少し挟まった土もつまんで取り除く。
「そこをなんとか、少しだけでも」
「実は、急ぎで依頼を受けていて。人が待っているはずだから、もう行かないと」
嘘である。
「そ、それは申し訳ありません。ではリゾルート大牙士、お元気で」
「ありがとうございました」
深々とおじぎをする。こういう時は大げさに礼儀正しくしておいたほうが話が終わるのが早い。
「い、いえ、こちらこそ」
相手も深々とおじぎを返してきた。
今のうちに去ってしまおう。ひょい、とチョコボに乗って軽くチョコボの腹を蹴った。
チョコボが力強く土を蹴り、坂道を下っていく。
すぐにフォールゴウドにたどり着き、川の上に架かる橋を渡っていく。
グリダニアまで行ってしまったほうが食料調達はしやすいだろうと考えて、そのまま通り過ぎて再び黒衣森へ。
道の脇に生えた大きなキノコは……食べないほうが無難だろうな……。
何度目かの橋を超える。こう橋が多いとグリダニアに来たという実感が湧いてくる。
そのまま曲がりくねった坂を上がっていく。鬼哭隊が守る門が見えてきた。グリダニアはすぐそこだ。