Will Nyer Entführungcase.命田守
『ウィル!?おい!!ウィル!!!』
少しのノイズの後無線に突然入った治の叫び声にびくりと肩が震えた。一体なんだとかげまるに視線を向ければあいつも同じように首を傾げて手元にある救急隊に支給されている地図を開こうとしていた。俺も続こうと視線を動かした目線の端でももみが病院から飛び出していったのが見えた。声をかけようとしたけれど無線に入ってくる治の必死な声に地図に視線を落せばカジノ方面の少し先にある高速道路に距離を置いて走る2つの救急隊をしめす黄色のマーク。ぞくりと背筋に嫌な予感が走って無線のスイッチに手を伸ばした。
「治?おい、聞こえるか」
『聞こえてるよっ!!!』
「状況を説明しろ、何があった」
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