いろんなかたちじめじめとした曇り空。
今日も今日とて僕と司くんは日課の散歩に来ていた。
いつものようにショーの話をして、あっちこっち行く僕にこらこらと優しい声をかけながら付いてきてくれる司くん、僕の大好きな時間。
「類、飲み物を買ってくるから少し待っていてくれるか?」
その問いに、うんと返すと僕の頭をふわふわと撫でてくれた。
何事にも興味が尽きない僕は大人しく待つのが苦手なのだけど、今日は司くんに褒めてほしい気分らしい。大人しくまってあげることにする。
そういえば帰りにスーパーに寄りたいと言っていたな……時間的に司くんが戻ってきたらお家に帰らないと
そう思っていると見知らぬ獣人に話しかけられた。
「どうしてリードつけてないの?」
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