跡付声を抑える癖のあるKKは、よく僕の肩や首を齧る
痛いような擽ったいような、そんな感覚が気持ちよくて僕は嫌いじゃないけど、KKの声が聞けないのはちょっと残念だったりする
気持ちよさそうにしている時なんて、最高にエッチな声が出るんだから

「おい暁人、首に変な跡ついてんぞ」
「え、どこ？」
ここだよ、と鎖骨のあたりを触られる
スマホのインカメラで写してみると、そこには歯形がついていた
「KK、これ昨日ついたやつ」
「あ？」
「正確に言うとKKが噛んでつけた跡だよ」
「なっ…」
本当か、と小さな声で呟いた後にKKは珍しく赤くなってしまった
「悪りぃ…」
「いや、でも僕はこれちょっと嬉しいかも」
あ、でもKKの声が聞こえないのはちょっと嫌だけどね
そう言って暁人も気恥ずかしくなって下を向いてしまった
「次はさ、噛むの我慢して。そのかわりチューしようよ」
「やだよ、お前さんのキスはなげぇから」
「じゃあこんなふうに跡つけられてるの見せびらかしても良いの？」
それはそれでKKに付けられましたー、って言えばいいかなんて言うと仕方ねぇななんて声が聞こえた
じゃあ、帰ったら早速…なんて言ったら背中を蹴られた叩かれたじゃなくて
そこがKKらしいな、なんて思うと頬が緩むのがわかった
「おい暁人、にやにやしてねぇで早く帰るぞ」
「積極的だね」
「約束は約束だからな」
ケッ、と言ってから先に歩き出したKKの後ろを追いかける
今日は沢山キスできる、そう考えるだけで嬉しい
「尻尾生えて見えんな」
「犬は嫌いでしょ」
「お前さんなら良い」
「KKっ…」
嬉しくなって隣に並ぶと、頭を撫でられた