愛しい君へ「豊前江」
「うん?」
こちらの声に穏やかに笑う豊前江に、その耳元にそっと唇を寄せる。
「好きだよ」
普段は中々恥ずかしくて言えないけど、思い切って伝えてみた。囁くような小さな声であったけど、彼に伝われば十分。どんな反応をしてくれるかな、喜んでくれるといいなとそっと豊前江を見る。
「…ッ」
そこには頬をほんのり紅くして恥ずかしそうにする豊前江がいて、その意外な反応に私まで恥ずかしくなって頬が熱くなる。
「不意打ちすぎんだろ」
「ごめん」
「うれしいけどよ」
「そ、そう?」
照れてしまったことが恥ずかしいのか、豊前江はこちらを見ない。その様子が少し可愛く思う。
「だけど、そういうことは」
そこで一度言葉を区切ると、豊前江が真っ直ぐこちらを見つめてくる、
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