勝手に十日間チャレンジ:一日目(しょばろ)メンバーへの差し入れにと美味しすぎる水の直売店へ入る。
今日はいつかのライブで出会ったあの子がレジを担当していた。
「今日も来てくれたんですねー! メンバーさんへの差し入れですか?」
「ああ。ところで――」
物珍しそうに彼女を眺める彼。
「いつもの格好じゃないんだな」
彼女の服装は暖かそうな水色のセーターにパンツスタイル。
「さすがに晩秋から冬はスク水はお休みですよ」
「冬服も似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます」
なんだか微妙に焦っているような。自分は思った事をただ口にしただけなのだが。
「またのお越しをお待ちしております!」
エコバッグに入れて貰った水を受け取る。
彼女のその挨拶が、何故だか太陽に煌めく水飛沫のように光っていたのは気のせいだろうか。
(おわり)