護りだけでなくその生もと彼は言うそれはたまたまのことだった。
配信の合間に、久しぶりに占いの手馴しをしただけのこと。やっぱりこういうことは惰性であっても続けておかなければ、手順をスムーズにこなすことができない。
その結果、友人の1人に大怪我の卦が出た。
特徴と職業から見て、恐らくはマフィアのボス。依頼でもなく、術を行使するなんてあってはならないことだ。
わかっている、頭では理性ではわかっていたのだけれども。
時が差し迫っていたこともあって、呪術師はその時初めて、自分の欲のためだけに術を施した。
それから、流石に周囲に関する占いは見なくなった。
当たり障りない事象だけを手習いのように見て、やめるの繰り返し。
もうひとつ変わったことはといえば、何かと物騒なチームメイト達にほんの些細な護りを付けたということ。
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