忘れるほどに、早く。ズキリズキリと、呼吸をする度に頭に痛みが走る。
渡された氷のうの位置を移動したけれど、痛みはあまり軽減されなかった。
気を紛らわせるように天井をじっと見つめ、自分の不甲斐なさにため息が漏れた。
------------------------
思えば、今日は朝からついてなかった。
脚本に熱中してしまい寝るのがいつもよりも遅かった。
悪夢を見て日が昇ってすぐに目が覚めてしまった。
二度目したら出る時間をとっくに過ぎていた。
慌てて出たらスマホを家に置き忘れた。
類に会いたかったのに、すれ違ってしまい姿を見ることすらできなかった。
極めつけは、これだ。
スマホを持ってないオレは、類に会うための連絡が取れない。
だから類に会うために、チャイムが鳴った瞬間、直様弁当を持って、色んなとこを見て回った。
2783