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    黒羽(DQアカ)

    Twitterに流しにくいものを垂れ流します。

    2023.05.17 Twitter垢 乗っ取りに合っています…
    近いうちに連携切る事になるかと…。
    無念。

    からの、復活!!!
    ヒィーーーハァーーー!!!

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    黒羽(DQアカ)

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    ラスボス後、解散前の最後の時間。

    おデート編②。

    ・ククが旅の途中、ちょいちょいエイト君に手を出しています笑
    ・両片思い。

    どんとこい!な方、どうぞお進みくださいませ。

    #クク主
    kukuMaster

    最初で最後の (クク主)◆最初で最後の◆


    「エイト、遊びに行かない?」


    ラプソーンを倒し、トロデーン城で祝賀会が催された、その翌日。
    明後日にはこのメンバーも解散だ。

    そんな時、ククールが僕にそう声を掛けた。


    「あ、そび?」
    「そう。明後日にはオレもここを立つし、最後にぱーっとさ。」
    「でも…僕は城の片付けとかあるから…。」
    「あ、そこはトロデのおっさんに許可を取ってあるから大丈夫。1日だけ、エイト貸して下さいって言って、OK貰ってる。」
    「いつの間に…。じゃあせっかくだし、みんなでどっかいく?」
    「あーっと!…ゼシカとヤンガスには先に声かけたんだけどさ、昨日の疲れがあるからって断られた。」
    「え?そうなの??」

    全てが先回りされた会話に、ほんの少し違和感を持ち、僕はふむ…と首を傾げた。

    「そんな訳で2人だけど、ま、いいじゃん。年の近いトモダチ同士でさ。」
    「そう、だね。…じゃあ、どっかいく?」
    「やり!そうこなくちゃ!」
    「あ、待って、軽く準備してくるから。」

    ククールに手を引かれ、慌てて静止する。
    …ククールは、なんだかとても嬉しそうだ。

    ククールを疑う訳ではないけれど、僕は先にトロデ王に外出の旨の確認と報告をした。
    彼の話は本当だったようで、それはもう快諾だった。
    むしろ、存分に遊んでこいとお金を渡されそうになったので、それだけは丁重にお断りをした。



    「おまたせ。」
    「おう。じゃ、行くか。」

    悩んだけれど、武器は置いていく事にした。
    …武器のない身体は、すごく軽くて不安になる。
    ククールも小脇に袋を持っているけど、いつものレイピアは置いてきたみたいだ。

    「どこに行くの?」
    「海と山と街、どこがいい?」
    「えっ…じゃあ山。」
    「本当、おまえ高い所好きな…了解。」

    そう言い、ククールは僕の手を握るとルーラを唱えた。

    そのまま、僕達は近場でトラペッタの高い山に登った。
    この辺りは旅の始まりの頃に立ち寄ったエリアだ。
    当時は景色を楽しむ余裕がなかったけれど、ここは僕的に穴場だと思う。
    遠目に海も見えるし、広大な大地も見渡せる。
    神鳥のたましいがあれば、もっと素敵な場所もあったけど、ここも十分素敵だ。


    「うわぁ…やっぱり綺麗だ。」
    「ここで世界の半分は見渡せそうだよな。」
    「ね、見て、ちっちゃくマイエラも見えるよ。」
    「本当だ…こうしてみると近いようだけど、オレあんまりこっちには来たこと無かったんだよな。」
    「僕もだよ。まさかトロデーンから出るなんて思ってもみなかったし。」
    「そうだよな。そう考えると、オレ達が出会ったのって不思議だよな。本来は交わる事がなかった運命だ。」
    「そうだね。…悲しい事もあったけど、僕みんなと出逢えたのはすごく嬉しい。」
    「…ん。そうだな。」

    そう言い、僕は近くの草むらに腰掛ける。
    ククールも僕の後に沿って、隣に座った。
    お天気にも恵まれて、自然の空気がとても美味しい。

    「あ、お弁当持ってくれば良かったな…。」
    「ふふん。そんな事になるかと思いまして、ほら。」
    「えっ!おにぎり!!」
    「ま、簡単な物だけどな。聞いといてアレだけど、おまえの事だから、行きたい所なんて海か山だろうなと思ってさ。」

    そう言いながら、ククールが黒い手袋を外して、僕との間におにぎりの袋を開く。
    僕は思わず見入ってしまった。

    「…ククール、どうしよう。僕今めちゃくちゃテンション上がった。」
    「ふは!単純〜。」
    「これ、君が握ったの?」
    「まーな。ちょい城のキッチン借りてな。」
    「うわぁ…。やばい。」
    「そんな喜ぶと思わなかったんだけど?」
    「テンション100だよ。」
    「いきなり?おまえ、そんなにおにぎり好きだっけ?」
    「違くって。ククールが用意してくれてたのとか、僕の事わかってるなっていうのとか、色々混ざって嬉しいの!」
    「…あー、そう?」

    ククールが少し恥ずかしそうに口元を隠す。
    その珍しい顔をじっと見つめると、みんなよ、と頭を軽くどつかれた。


    「いただきます。」
    「はい、どーぞ。」
    「……んむ、美味しい。」
    「良かった。」
    「具がサーモンだ!…美味しい。」
    「ほら、水あるぜ。」
    「準備万端だね。」
    「ばか。この位で褒めすぎ。」
    「あぁ、幸せ。」
    「…ふは。本当、エイト単純〜。」
    「そうかな?」
    「でも…オレも幸せかも。」

    そう言い、ククールが形のいい目を優しく細めた。
    …思わず、おにぎりを食べる口が止まってしまった。
    そのくらい、彼の顔が柔らかく…とても美しかった。

    そのまま、ククールもおにぎりに手をのばし、ゆっくりと口に含んだ。
    …急に彼の唇に目が惹かれてしまい、僕は頬が熱くなる。

    「…ん、うま。形も綺麗だし、オレ天才すぎない?」
    「……ん。」
    「…?どしたの?」
    「な、なんでもない!!」

    そう言い、僕は水を煽る。


    …旅の間、ずっと抱えてきた、ククールへの気持ち。
    こうしている今でも、答えが出せないままだ。

    トモダチ…だと思っていたのに、たまにククールの唇…手のひら…背中がどうしようもなく……愛おしくなる。

    一緒にいれば、とても楽しい。
    ずっと一緒にいたいと思う。
    …でも、僕は男で、彼も男で。

    彼をこんな性的な目で見ている。
    自分はおかしいのだと、後半はずっと考えないようにしてきた。

    …というのも、旅の後半、心が弱った時に、彼から寄り添われたその際。
    手を握られ、抱きしめられたり、そっとキスをされたり…スキンシップをされるようになったのもあると思う。

    彼からしたら、ただのスキンシップだろうけど、こっちはたまったもんじゃない。
    全部が初めてで、ドキドキして、意識してしまう。

    するどいゼシカは、僕のギクシャクした態度に気づき、声を掛けて来てくれた。

    …そして気づいた。
    僕は、ククールの事が、すき。

    でも、このすきって、トロデ王や姫、仲間のみんなへとはどう違うのかが分からなかった。
    …異性へ抱く、性的なすき?
    でも、ククールはトモダチじゃないの?

    そこからどうにも前に進まない。


    「…エイト?」
    「えっ!な、なに?」
    「いや、急に黙るからさ。」
    「…おにぎりが、美味しすぎて。」
    「ウソだろ。」
    「ほ、本当だよ。」
    「…随分と煽てるねぇ?ま、悪い気はしないけど。」
    「あのさ、次は僕がお弁当作るね。また…こんな風に、どっか行こうよ。」
    「…ん。そーね。」

    そう言い、ククールが僕の頭をくしゃと撫でる。

    …その、ククールの言葉の温度で、なんとなく気がついた。

    きっと…これが最後だ。
    僕とククールが、こうして2人で遊べる時間は、今この時で終わりなんだ。

    理由は分からないけど、きっと明後日にはククールはどこかへ行ってしまう。
    行き先を僕に言う必要もないんだ。
    だって、旅は終わったんだもん。
    …もう、彼は自由なんだ。


    「…おい、そんな顔すんなよ。」
    「………。」
    「ほら…おまえはさ、多分…これから色々忙しくなるじゃん。」
    「………。」
    「聞いたけど、近衛兵長になるんだろ?オレなんかが、気軽に会える身分じゃなくなる訳だ。だから…。」
    「…そんな事、ないよ。…いつでも会える。」
    「………。」

    ククールとの、この距離が無くなる。

    あぁ…終わりなんだな。
    そんな事ないって今は思っても…現実が、環境がきっと僕らを変えていく。

    そして彼は、それをいち早く察している。
    だから、今日…僕を誘ってくれたんだ。

    色んなことが理解できてきて、急に胸が苦しくなった。

    「…わり。そんな顔させたかった訳じゃないんだけどさ。」
    「…僕、どんな顔してる?」
    「え?…楽しみにしてたお出かけが無くなった…子供みたいな顔?」
    「…少し、当たってるかも。」

    そう言い、僕は頭をガシガシとかいた。
    ぐずっているようで、なんだか気まずい。
    …そんな僕を、ククールが覗き込む。

    「…エイト。」
    「何?」
    「キスしていい?」
    「え?」
    「だめ?」
    「……だ、めじゃ…ないけど。」

    そう言うと、すぐにククールの顔がふわりと近寄って来た。
    そのまま、啄むようにククールの唇が触れる。
    僕はゆっくりと離れていくククールの顔を目で追った。

    「…あのさ。…なんで、ククールは…僕にこーゆーことするの?」
    「ん?嫌だった?」
    「…嫌…じゃないけど。」
    「そっか…良かった。」

    そのまま、ククールが僕の頬に左手を添え、愛おしそうに頬を撫でる。
    …僕の心臓がドクドクと動いた。

    「ねぇ…なんで?」
    「うん…なんでかな。」
    「………。」
    「エイトが、寂しそうだと…したくなるんだよな。」
    「それは…慰めてるって事?」
    「ん…そんな感じ、かな。」
    「……そっか。」


    その言葉に、僕はがっかりしていた。
    …ククールの中に、僕の事を好きだという気持ちがなさそうだったからだ。

    ククールは、僕の事をトモダチとして接している。
    ただの慰め。
    僕のすき、とは…きっと違う。



    (…これで、はっきりした。)

    ククールへのこの気持ち、もう考えるのは辞めよう。
    今ここで、蓋をしてしまおう。
    もう、止めてしまおう。

    丁度良かったじゃないか。
    明後日には、彼と離れる。
    きっと、これからは会う努力をしない限り、会う事もない。

    だから、最初で最後に…。


    「…ねぇ。」
    「ん?」
    「…もう一回、して。」
    「……っ。」

    ククールはそれは驚いた顔をした。
    そりゃそうか、僕から求めたのは初めてだったもんね。

    ククールは、そのまま少し寂しそうに微笑むと、再びふわりと僕に顔を近づけた。
    気持ち、ゆっくりとしたキスだった。


    「…エイト。」
    「ククール…今までありがとう。」
    「………。」
    「僕、これからも頑張るね。」
    「……うん。」

    そう言い、僕は笑った。


    その後、山のてっぺんで2人でゴロンと横になり、たわいない雑談をした。
    あっと言う間に日がくれて、僕達は城に帰ってきた。

    ククールとの気まずい空気は、あの2回のキスで終わり。
    その後は終日、普段通りのトモダチの空気だった。


    「は〜楽しかった。ククール、誘ってくれてありがとう。」
    「こちらこそ。急で悪かったな。」
    「そんな事ないよ。今日明日は城でゆっくり休んで。明後日は気をつけて出発してね。」
    「ああ。ここを出る前、おまえの所に顔出すよ。」
    「うん。」

    それじゃあ、と僕はそのまま兵の宿舎に向かう。
    …明日から、忙しくなるぞ。
    城の立て直しに、新しい立場の仕事も覚えなくては。

    そんな僕の背中を、ククールはとても悲しそうな顔で見送っていた。
    …振り向く事をしなかった僕は、一生気づく事が出来ないけれど。

    ただ、そこには新しい風が吹いていた。





    【完】


    …はい。
    これが黒羽クク主の分岐です。

    この後、竜神王√に進むか、このまま交わらない運命になるか。


    エイト君の中で、すでにククは9割を締めていたのに、ククの事を人として愛しているという気持ちに気付けず。
    (親友+αくらいに思ってる)

    ククに対しても、ククはプレイボーイだし、慰めで人抱ける位のイメージがあるので、自分の感情と同じものを持ってると気付けず。

    だめだこりゃ、と、エイト君が気持ちに蓋をした瞬間。


    ククは、オークニスイベント(ポイピク小説)から、すでにエイト君の事好きだと自覚してるけど、エイト君は姫との未来があると思って、はっきり口には出さない。
    (めちゃくちゃ態度には出ている。)


    おにぎりの時も、
    こんだけ寄り添っておいて、ちゅーしておいて、慰め…??
    なわけねーだろ!!!
    エイトのばか!!鈍感!!
    好きすぎて、おまえの事余裕で抱けるわこっちは!!!
    なんなら脳内で何回も抱いたわ!!
    今すぐにでも攫って行きたいの、我慢してるわ!!!
    好きって言いてーーーーー!!!


    ってなってる。
    完全なる両片思い。


    で、もし竜神王√に進んだ場合、
    2人でこの時の事思い出して話してほしい。

    エイト君に、
    あの時のおにぎり、後半はしょっぱい味がしたんだよ…笑、
    とか言ってほしい。


    ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。


    2022.10.08 黒羽
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