海外のルシエドhttps://archiveofourown.org/works/41206038
エドモンドにとって、ルシオンとは「毎日」という言葉を連想させる人。
お別れをするたびに寂しく感じさせるが、また次の日も会えて、楽しいことが聞けるのはわかっている。
シフト交代の時、壁に押し付けてキスされ、別れる直前に夕食の約束をする。
食事中の会話は何気ない内容だったが、いつもどこか曖昧な雰囲気が漂っている。この気持ちは一体何かエドモンドは断言できない。
ただ毎日ルシオンが見れるだけで、満足に思う。
そんな気持ちに付きまとわされている夜も、たまにある。ルシオンと同じベッドで眠るのを想像すると、その気持ちが収まるのが、なんだか恥ずかしく思う。
夕食の後の話題は、エドモンドの両親が用意した見合いだった。別れの際は、いつものように、ドアの前でひたすらキスを交わす。
エドモンドには、ルシオンには言えないことがいっぱいある。ルシオンも同じだとわかっている。
別れの際はいつも、「また明日。」の一言。
ルシオンはいつもエドモンドを「エディ」と呼ぶ。他人に呼ばれたら絶対激怒する呼び方だが、ルシオンは他人ではない。その特別視の理由が「愛」であることを、エドモンドは認めたくない。
翌日、エドモンドが勇気を出してルシオンに何かを言いだそうとすると、国王の招集令がきた。
「一緒にいれば、きっと無事に帰ってこれる。」とルシオンが言った。
さっき何を話そうとしたと聞かれたら、エドモンドは「ありがとう」の一言だけ答えた。
「何に?」
「あなたがあなたであることに」
それは俺のセリフだ といって、一輪のバラをエドモンドの唇につけ、「お守りだ」といった。
何を言えばいいか困惑するエドモンドは早く王宮を出るよう、ルシオンを促した。
そして心の底で自分に言い聞かせた。
今日は言い出せなくても大丈夫だ。
また明日はあるから。