まだ恋だと気付かない 試験が近いある休日の午後、監督生とグリムはエースとデュースに誘われて、ハーツラビュル寮の談話室で勉強会を行っていた。
前日にエースから、監督生も呼んで談話室で勉強会を開くときいたリドルは「それはいい心がけだね。ならばボクも談話室にいることにしよう。わからないことがあればボクに質問するといい」と提案し、いまは監督生たちの向かいのテーブルで読書をしながら、大きいソファに横ならびに座って勉強に励む三人と一匹を見守っている。
ところが、初めこそ笑みすらたたえていたリドルの顔がしだいに険しくなっていった。それは、エースとデュースがしきりに監督生に話しかけるからだ。
例えば、魔法史の復習をしているときにはーー。
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