悪魔パロ①「え……?」
まだ見習い牧師のオレの前に突如として現れたのは、血のような赤い髪と闇より黒い角をもった、眼帯の悪魔だった。
「こんばんは」
にっこりと向けられた笑みは一点の曇りもなく、背中に見えるのが純白の翼だったなら天使様と崇めるくらい善良に見えた。
しかし現実に彼の背中にあるのはコウモリのような黒い羽。先端が尖った細長い尻尾。ふよふよと宙に浮かんで面白そうにこちらを見つめている。金縛りの術を掛けられたかのように、少しも動けなかった。
――かなり高位の悪魔だ。
まだ実戦で悪魔を祓ったことのない自分でも、肌で、空気で、ひしひしと感じた。明らかに格が違う。自分のレベルを1とするなら、この悪魔は99――カンストレベルだ。
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