命と盟約と「リオセスリ殿」
「なんだい?ヌヴィレットさん」
「少し先の話をしたいのだが」
「そりゃあ次の仕入れことか?それとも警備体制強化の為にマシナリーの増産でもするつもりか?」
「いや、私達の今後のことだ」
「…仕事じゃなくて俺等の?唐突過ぎて要領を得ないんだが、何のことだい?」
「先ずは聞いてくれ。リオセスリ殿も知っての通り、私は人ならざる者だ。君と私では時の流れが違う」
「…まぁ、そうだな。自然の摂理に従えば、俺はアンタを残して逝くことになる」
「その事に関しては異議を申し立てることはしない。ただ、これだけは言わせて欲しい」
「わかった、聞かせてくれ」
「私は最高審判官で、フォンテーヌを守りし者でもある。故にリオセスリ殿がいなくなった後、すぐに後を追うことは出来ない。君を待たせてしまうことになるが…それでも構わないだろうか?」
「…まず、付き合い始めて1月も経たない内からそんなクソ重い話を持ち出すな、とか。いつか来る事かもしれないが俺を軽々しく殺すなだとか、文句は山程ある」
「すまない、気分を害しただろうか?」
「少しな。そんな事は置いておいて、だ。結論から言わせてもらうと、俺からの答えは「Yes」ただこれだけだ」
「…リオセスリ殿、それは」
「まず前提として俺は伊達や酔狂でアンタとお付き合いしてる訳じゃない。アンタの本来の姿を察した上で関係を持つって覚悟を決めたんでな。何百年でも何千年でも待ってやるよ…だから、フォンテーヌの未来。ヌヴィレットさんにに託したぜ」
「あぁ…承知した。この命に換えてでも君との約束を守ると誓おう」
「なら、誓いのキスが必要だな?」
「君からの誘いとは珍しい」
「…煩い、たまには良いだろ?なんたって俺達は『コイビト』なんだからさ」