『特別』の判定ラインサニバン
開け放した窓から気持ちの良い風が吹き込んで来る午後、サニー・ブリスコーは同居人の部屋で部屋の主にベッドに追い詰められていた。
至近距離で柔らかな紫の髪が揺れる。
「浮奇…、ちょっと待って」
他の同居人達は現在外出しているため必要がないのだが、何となく声を抑えてしまう。
一緒にゲームをしようと誘われてこの部屋を訪れたのだが、いつも通り軽くふざけていた流れでこんな状況になってしまった。他の者がいないためか、目の前の彼がいつもより更にぐいぐい来ている気がする。実のところ体格も力も自分の方が確実に上なのでその気になればすぐ押しのけられるのだが、彼の積極的な雰囲気にあてられているのかその華奢な体を押し返そうとは思っていなかった。
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