とある日時計の針は朝の10時を少し過ぎた頃。今日は土曜日でお父さんはお仕事。パパと2人で今日はお昼ご飯を作る約束をしていたんだ…なのに…
「すみません。家入さん」
「七海も大変だな。焦らず気をつけて」
ここは呪専の保健室の前。パパのところに急に来たお仕事の為に私は硝子ちゃんに預けられた。私は不機嫌にさっきからずっとパパの上着の裾を握っている。しかも強めにです…普段なら「シワになりますから」と言ってきて辞めさせようとするパパだけど今日は何も言ってこない。う…お腹ぐるぐるする…
「はい。なるべく早く終わらせます。雛?」
「雛…ちゃんと行ってきますを言わないと後悔しても知らないぞ」
「パパ…」
「はい」
私がパパを呼ぶとしゃがんで目を合わせてくれる。
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