もうすぐ昼休みを迎える火影室は春の陽気もあって穏やかだった。火影室の隣にある事務室でも事務員らがお喋りしながらのんびり仕事をしている。イルカは事務室に顔を出してすっかり顔見知りの彼らに軽く挨拶してから、火影室へと足を向けた。
アカデミーの入学式から二週間が経ち、火影は新入生の様子を知りたいとイルカを呼び出した。ついでにランチを一緒に……と誘われたのだが、恐らくカカシの目当てはランチの方だろう。イルカと一緒に昼休みを過ごしたいが為に理由をつけて呼び出したと思われる。
イルカは火影室の前に立つと、扉を軽くノックした。すぐに部屋の中からカカシの声が返って来る。
「失礼します、六代目」
イルカは扉を開けて火影室に入った。
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