ひとつ屋根の下「というわけで、しばらくここに住んでもいいですかね」
「わかった、家賃は給料からの天引きで良い?」
そんな連れないこと言わないでくださいよ!と来客用のソファに座ったままリーは大仰な仕草で天を仰いだ。芝居がかった動作だが、頬に浮かぶ憂いは本物だ。
調理中のちょっとした事故により、彼の探偵事務所は爆発したのだという。現場にはショウも出動し、全焼こそ免れたそうだが、とてもではないが人の住める状況ではないらしい。彼からすれば骨董品が焼けてしまったことの方が余程問題のようだが。
居場所をなくした彼が目をつけたのは、このロドスだった。突如として執務室に押しかけてきた彼は、しばらくここに滞在させて欲しいという。この場所を臨時の事務所として。
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