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    kanashiki79

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    kanashiki79

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    仲良しカルテットは、今日は海で酒を飲む②

    ぽたおさんの①はこちら
    https://twitter.com/ot3bw7tfkcucvx9/status/1543888291585720320?s=21&t=B8WFrCdvLJo21bjD9pBO3g

    【リレー】イカ焼き。寛七+硝歌。 真夏の、海の家。
     仲良しカルテットが、ビールを煽り続けている。

     日車に七海、庵に家入。
     よくこの四人の予定が、合わせられたものだ。

     男性陣は、女性陣には、頭が上がらない関係性。
     テーブルの真ん中に線が引かれたかのような、温度差が見えるようだ。

     ダンッ!
     庵がジョッキを、テーブルへ叩きつけた。

    「七海」

     満面の笑顔。
     対する七海の顔は、無表情。

    「はい」
    「つまみ」
    「はい」

     庵の指示には、逆らえない。
     七海が、何か買って来ます、と席を立つ。
     日車も、運ぶのを手伝う、と理由づけをして、その場を離れる。

    「あいつらホントに、気が利かないんだから」
    「マジで。歌姫先輩を大事にしてくんないなら、今度治療してやんない」
    「それは流石に、治してやんなよー」

     キャッキャッ、といちゃつく声が、後ろから聞こえ、日車の下がり眉がさらに落ちる。

     売店のメニューを眺めている七海と並んで立ち、相談をはじめる。

    「何にする」
    「生中は当然として、とうもろこしは歯に引っかかるとか、文句を言われそうですね」

     女性陣に、何を出すか。
     二人の脳が、フル回転している。

    「そうだな。…焼きそばも、青海苔が」
    「ええ。たこ焼きも同じくです」
    「かき氷は、つまみにはならないな」
    「ラーメンは、シメなのでまだ早い」
    「おでん…」

     顔を見合わせて考えるが、ボツ。

    「冬の食べ物出してくるな、と言われる気が」
    「暑い中食べるのも、乙なもんだがな。…ん、イカ焼きがあるじゃないか」
    「いいですね、これにしましょう!」

     日車さんまだー、と、家入の声がする。
     時間的にもそろそろ限界だろう。

     日車が注文している間に、七海が家入に報告しに走り、庵に尻を叩かれて、戻ってくる。

    「機を見て、逃げるか」
    「ライフセーバー講座、やってましたよ」
    「言い訳に使えるな」

     頼んだものを手分けし、テーブルへ運ぶ。
     イカ焼きは既に切ってあり、食べやすい状態だ。
     庵が、声を上げる。

    「遅い」
    「すみません」

     声を合わせて謝る、日車と七海。

     プリッとした甘辛いイカを食べながら、表面に汗をかいたジョッキを、四人で煽る。

    「イカ焼きも美味しいけど、おでんもよかったな」
    「七海、硝子におでん買ってきて!今すぐ!」
    「はっ、はい」

     指名された七海が、小走りでテーブルを去る。
     手伝う、との逃げ道を失った日車が、無表情でビールジョッキを飲み干す。

    「お二人の生も、頼んできます」

     と立ち上がりかけた日車の腕を、家入が掴む。

    「逃げれると思ってんの」

     日車が、なんとも情けない顔で、座り直した。
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