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    calmdestorm2

    @calmdestorm2

    二次創作ファンアート置き場 ↑20
    イラスト、マンガ、小説ごっちゃごちゃ
    基本アナログシャーペンで落描き、たまにペン入れしたりデジタルだったり

    メインジャンル:フーファン・ダメプリ・94
    他にも気になったものはなんでもモグモグします

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    calmdestorm2

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    94 なんかこう急にフッとネタが降りてきたので
    Δニコイチの出会いってこんな感じなのかなと妄想小説風箇所書き話
    色々とmy設定があるけど、深く考えずに読んでください

    #吸血鬼すぐ死ぬ
    vampiresDieQuickly.
    #吸血鬼すぐ死ぬΔ
    #メドキ
    #ショーカ
    #ニコイチ

    Δなニコイチネタある夜、メドキが森の中を歩いていると見慣れないピンク色の蛇が地面にのびていた。

    「へー珍しい色してるなー
    なんかのびてるけど、これ大丈夫かな?」
    『だいじょばない』
    「うわ、喋った」

    まさか返事があるなんて思いもしなかったメドキは驚き、蛇を顔の高さまで両手で持ち上げた。

    「えっと、聞いた方が良いかな……どうしたの?」
    『お腹が空いて動けない』
    「空腹かー……鶏肉ならうちにあるけど」
    『血が良い』
    「え、もしかして下等吸血鬼?」
    『下等じゃない、あんたと同じ高等』

    そういうと蛇はポンっと煙を出しながら人型に変身。
    おーっ!とメドキが感嘆の声を上げる間に、再びパテッと倒れる元蛇男。

    「……大丈夫?」
    「だから、だいじょばない……」

    しゃがみこんで尋ねてくるメドキに、視線は向けずとも返事をする元蛇男。
    顔色もだいぶ悪そうだ。

    「……とりあえずうち来なよ、立てる?」
    「立てるけど、歩けないかも……」

    ぐったりしている元蛇男をなんとか起こし、肩に手を回させ運ぶメドキ。
    (筋力的に持ち上げるのは無理だった)

    「重っ……さっきの姿に変身出来ない?」
    「無理、体力もうない」
    「えー……」

    なんて会話をしているうちに、メドキの隠れ家に到着。
    適当なところに座らせ、奥から血抜きした時に採っておいた鳥の血が入った瓶を蓋を開けながら持ってくるメドキ。

    「はいこれ、鳥の血だけど」
    「なんでも良いよ、今ならニンニクドリンクでも飲めそう」
    「最後の晩餐になるからそれはやめとけ」

    元蛇男は瓶を受け取り飲み干すと、ある事に気づく。

    「飲みやすい」
    「お、わかるか?ちょっと加工して生臭さを減らしたんだ」

    違いに気づいてもらえ、嬉しそうにするメドキ。

    「本当なら濃い目な血の味の方が好みかもしれないけど、しばらく何も口にしてなかったみたいだし、こっちの方が良いかと思って」
    「うん、助かった。ありがとう」
    「どういたしまして。ええっと……」
    「ショーカだよ」
    「俺はメドキ。
    それでショーカ、何であんな所でのびて……倒れてかな?
    まぁとりあえず、あそこにいたんだ?」
    「……知らない」

    しばらくの沈黙の後、プイッと視線を反らすショーカ。

    「いや、知らないって事はないだろう?」
    「覚えてない」

    項垂れ目を伏せるショーカに、何か訳ありかもと察して、メドキはそれ以上事情を尋ねる事をやめる。

    「……ごめん、聞いちゃいけない事だったかな」

    メドキの謝罪にショーカは返事をせず、気まずい空気が流れる……
    と、突然ショーカが横向きに倒れる。
    慌てて駆け寄るメドキ。

    「え、どうしたの!?」
    「眠い」
    「は?」

    メドキの伸ばしかけた手が止まる。

    「お腹膨れたら、眠くなってきた」
    「いや子どもかよ!?それにしてもいきなり過ぎない?!」
    「ちょっと寝るから、静かにしてて」
    「いや人ん家でいきなり寝るなよ!!
    それ以前に知らない奴の前で無防備とか」
    「Zzz……」
    「うわ本当に寝たし」

    危機管理能力0かよ……と思わずぼやくメドキ。
    揺すっても起きそうになく、今までゆっくり休める場所がなかったのかなと考えて、メドキは仕方なく自分が使っている掛け布団を掛けて寝かせてあげたのだった。



    次の日の夜までぐっすりしっかり爆睡し、ようやく目が覚めたショーカ。
    あくびをした後、ここ何処だっけ?としばらくボーッとしていると。

    「あ、やっと起きた」

    おはよう、と声をかけられ振り向くと、そこには……

    「誰?」
    「メドキだよ!!」

    まだ寝ぼけてるのかよとため息をつきながら、メドキは作業していた手を止めショーカの元へ。

    「体調はどう?動ける?」
    「……あー……うん、大丈夫そう」

    自分のいる場所と目の前の相手の事をだんだん思い出し、ショーカは大きく伸びをして立ち上がる。

    「軽く食べられるもの用意するから、とりあえず顔洗ってこいよ」

    んーと気の抜けた返事をしながら、ショーカはメドキが指差した方へとてとてと行く。
    そこには井戸があり、水を汲んでパシャパシャと軽く洗い、近くに置いてあった布を拝借し顔を拭く。
    とてとてと戻ると、こっちだよと手招きされショーカが行くと、そこには大きく平たい石がいくつか並んでいた。
    太ももくらいの高さがある石が椅子らしく、座らされる。

    「簡単なものしかないけど」

    広めで腰程の高さの石を挟んだ向かい側の椅子石に座りながらメドキが勧めてきた器を受け取ると、中には小さめに裂かれ茹でられた鶏肉とほんのり赤色をしたお粥が。

    「お米?」
    「うん、物々交換でもらったんだ。
    本当はちゃんとお店に行って買いたいんだけど、人間の街は簡単には行けないからね」

    いただきますと手を合わせるメドキを真似て、ショーカも食事の挨拶をし食べ始める。

    「うまっ」
    「そう?普通の味付けだよ」

    ショーカの言葉にそう言いながらも悪い気はしないらしく、メドキは嬉しそうにする。
    食べ終わりご馳走をし、器を片付けるメドキ。
    手持ち無沙汰なショーカは、よくわからないものがあちらこちらにある隠れ家を物珍しげにキョロキョロと見回しメドキを待つ。
    やがて2人分の飲み物を持って戻ってくるメドキ。再び席に着く。

    「なぁショーカ、これからどうするんだ?」
    「これから?」

    相手の言葉の意味がわからず、ズズッと飲みながら聞き返すショーカ。
    メドキは言いにくそうにしながらも、言葉を続ける。

    「昨日は行き倒れていたから思わず連れて帰ったけど……
    もしよかったら、しばらくここにいるか?」
    「……何で?」
    「その……行く場所が無いのかなって」
    「まぁ無いけど、無目的に旅してるから」

    え?と目をぱちくりさせるメドキ。

    「何その顔、面白い」
    「いや、その……昨日言いにくそうにしていたから、てっきり帰れないとか訳ありなのかと思ったんだけど……」
    「あー……特に意味なくぶらぶらしててご飯食べ忘れて倒れてただけなんだけど、眠くて説明面倒くさくなってた」
    「お前……」

    机に突っ伏して、心配して損したと脱力するメドキ。

    「なんか、ごめんね」
    「いいよ、こっちが勝手に決めつけてただけなんだし」

    なんとか気力を取り戻してメドキは身を起こし、さっきのは忘れてと告げると。

    「やだ」

    今度はショーカが先ほどのメドキの様に机にペターッと引っ付いた。

    「やだって……」
    「ここ居心地良くて寝やすいし、あちこち行くの飽きてきたし、しばらく住みたい」

    昨日とさっきの食事のお礼もまだだし、ちゃんと宿泊費(物品)出すから、と顔だけ上げて上目使いで見つめるショーカ。

    「……少しの間だけな」

    しばらく無言&じと目で見つめ返していたが、やがて根負けしたメドキは許可を出した。

    「うん、よろしく」

    身体を起こし、ショーカはずっと仏頂面だった口元を綻ばせた。




    少しの間がずっとになったのは、語るまでもない。






    オマケ

    実は人間達が使うお金を貯めているメドキ。
    何で?とショーカが聞くと、『いつか人間の街に行けるようになった時に、色んな物を買いたいから』とのこと。
    しばらくして、『俺もお金貯めたい』とショーカはメドキにちっちゃい貯金箱を作ってもらった。
    それから時が経ち、気軽に人間達の街へ行けるようになって。
    ウキウキでお出かけ準備をしているメドキに、はい、とショーカは貯金箱を差し出す。
    ショーカも買い物?預かっててほしいの?と聞くと、メドキのだよと返され。

    「メドキすごく楽しみにしてたし、少しは足しになれば良いかなって思って貯めてた」
    「そんなの使えるわけないじゃん!!!!!!!!」
    「うるさっ」

    なんかこう色んな感情が爆発して思わず叫ぶメドキに、迷惑そうに耳を押さえてしかめっ面をするショーカ。
    使って使えないと押し問答の結果、何かあった時の虎の子にするということでなんとか落ち着いたのだった。
    (ショーカは不満げだった)
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