男前とヘタレと勘違い「寧々のこと…どう思う?」
目を伏せて、類をよく知らない人には分からないだろうほど少しだけ頬を染めて言うその男に、全てを察した。
いや、わかってはいた。なんとなく気付いてはいた。
オレにも好きな人がいるから、同じような視線を送るこの男の気持ちに気付かぬほどオレは鈍感ではない。本人は保護者面をすることで隠しているつもりだったのだろうが。
そんな男がついに、ついに相談を。
感極まって目に涙が浮かびあがるのと詳細を問い詰めたくなる気持ちを必死に抑え、頭をフル回転させる。
やっと打ち明けようとしているこの大事な仲間であり友を応援をする以外にやることなどないが、この言い方ならおそらく、オレが寧々に好意を抱いていないかの確認を先にしたいのだろう。
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