転送機バグ　一九九六年、夏。
　夏休みになり、セミもうるさく鳴いているある日。コンビニ帰りの最中。ふいに人の気配を感じて日の当たらない路地裏を覗き込んだら、誰かは知らないけれど人が倒れていた。俺は慌てて誰かに助けを呼ぼうとしたのだけれど、その人影――男が動いて俺の手を掴んだ。
「……ごめん、人呼ばないで」
「だって、傷だらけじゃないか」
　頬にも腕にも擦り傷や切り傷がある。よく見れば高校生だろうか。小学生の俺よりずっと背が高い。何かいかついゴーグルを額にはね上げ、学ランの上にポケットのたくさんついたカーキ色のベストを着ている以外は普通の人間なのに、どこか、何かが違うと感じた。男は「よいしょ」と言って路地の壁を背に座り込む。俺は不思議とその男に興味を惹かれた。

スタートの合図とともに足元に数発の銃弾を撃ち込まれ土煙で視界が遮られたのをマントを一振りすることで土煙を打ち消しながら、土煙に隠れて接近を図っていたマナとゼンラがクロスになるように入れてくる蹴りと槍を、足首を使い軽く地面を叩き宙に浮くことで回避をする。
自分の攻撃が躱されたゼンラは地面に武器を突き立てた反動を利用して間合いを取り、マナはゼンラを補助するように、持っていた槍を捨て、反対の腕に持っていた銃での威嚇射撃と目くらましを兼ねた攻撃を入れてくる

判断が早く、お互いの役割分担も決まっているスムーズな動きは、レクリエーション相手としては申し分ないソレに血がわき立つ感覚がして口角が上がってしまう

「楽しいな！」