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    どうしようもないものを投下

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    787文字
    ガリカジのタイカケ
    絵、こんなイメージで描いてました。

    「カケル、今、忙しい……か?」
    「大丈夫だけど……どうしたの?」
     夜遅く、俺の部屋にやって来たタイガは、パジャマ姿ではなくきちんと制服を着ていた。時々夜にやって来ては俺のベッドで一緒に寝ることがあるけれど、こんな時間に制服で部屋にやって来たのは初めてだ。
    「魔法の修行付き合ってくれないか?」
    「え、それは良いけど……」
     珍しいこともあるものだ。試験前や課題の提出前に俺を頼ってくることはあるけれど、そういうタイミングでもない。でも、やる気をだしているのなら、それを汲んであげたい。
     俺も制服に着替えて、二人で寮の外に出る。本当であれば門限を過ぎているから外に出るのはご法度だけど……まぁ、いいでしょう。何かあったら俺の力で誤魔化しちゃおう。昔はこんなこと考えなかったのに、ヤンキーに影響されちゃったかな?
     寮からも校舎からも離れ、俺たちは草原までやって来た。周りに木や岩が無い場所まで来て立ち止まる。ここなら多少魔法が暴走しても被害は出ないだろう。
    「で、どんな魔法?」
    「基礎から、しっかりやりなおそうと思って。コントロールを完璧にしたい。カケルみたいに!」
    「俺、みたいに?」
     自分を目標にしてくれているってこと? なんだか、こうして真正面から言われると照れくさい。皆の前でだったら、照れ隠しに茶化しているところだった。
    「カケル、俺、カケルの隣に並ぶのにふさわしい魔法使いになりたいんだ。だから、頼む」
     俺の手を取り、タイガは真剣な顔で言う。ヤバイ、ドキドキしちゃうじゃん。
    「よぉし。じゃあ、手加減しないで鍛えちゃうからねん?」
    「望むところだ!」
     タイガと並んで呪文を唱える。大気中の水分を集め、水を生成する。月の光が反射して綺麗だ。タイガの生み出す水は、タイガの心見たいに本当に綺麗だ。
    「さぁ、いくよ、タイガきゅん」
    「おう!」
     月と瞬く星たちが、俺たちを見守って応援してくれているような夜だった。
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    TRAININGパンそばのタイカケ。
    そばくんに対して過保護なパンくんが見たいです。
    「ねぇね、タイガくん」
    「あ?」
    「これからコウジさんたちと飲みに行くんだけど、タイガくんも来る?」
    「あぁっ?!」
     飲んでいたジュースを噴き出しそうになった。なんで、カケルが、あの探偵と?
    「ふ、二人で、飲みに行くのか?」
     まさか、俺が油断している間にあの探偵がカケルを? 俺らのファンとか言ってたけど、まさか、まさか……。
    「ううん、助手のユウくんやコウジさんのお友達も一緒みたい。タイガくんもどうかなって思ったんだけど……。もしタイガくんにその気がないなら僕一人で」
    「俺も行く!」
     カケルの言葉に被せるように、俺は大きな声を上げた。自分の好きなヤツが、いくら二人きりじゃないとはいえ、俺のいないところで他の男と飲むなんて耐えられない。それに、カケルは酒に弱いんだ。酔ってふにゃふにゃになってるカケルはめちゃくちゃ可愛いし、何かされちまうかも知れない。俺は酒を飲んでも、絶対に少しだけにしておくぞ。ちゃんとして、カケルのことを守るんだ……!
    「えへへ。タイガくんがいるなら安心だなぁ。僕、お酒弱いし、コウジさんのお友達は……僕らも会ったことあるみたいだけど、緊張しちゃうだろうから」
     安 1434

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    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563