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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    668文字
    ガリカジのタイカケ
    事後

    「あっつー……」
     カケルが身体を起こしてベッドサイドに置いていた杖に手を伸ばした。すいっと一振りすれば、魔法で部屋がひんやりとした。
    「ふぅ」
     一息ついているカケルの身体には、ところどころに俺が虎になってしまったために毛があちこちについていた。ふぅ、と息を吹きかけて飛ばそうとしたけど、汗のせいで張り付いて剥がれない。舐めとろうと思って、カケルの背中をベロベロ舐めた。カケルは「くすぐったいよ~」と笑った。数回舐めたら毛は殆ど取れた。取り残しがないかよく見ると、あちこちに引っ搔いたような傷がある。俺の爪と牙のせいだ……。冷静になった途端、興奮が収まって俺は人間の姿に戻った。
    「カケルぅ……」
     これ以上傷つけないように、俺はそっとカケルに腕を回した。ぎゅうって抱きしめたいけど、また傷つけるのが怖くて力を入れられない。
    「どーしたの、タイガきゅん」
     カケルは優しく俺の頭を撫でてくれる。いつも俺に優しくて、甘やかしてくれるカケル。大好き。だけど、俺は……。
    「ごめん、また、傷つけた」
    「あー、いいよ、このくらい平気平気! 治癒魔法で治るレベルだし! それに、」
    「……?」
    「なんかさ、タイガきゅんとシたな~って感じるから、なんかイイかも」
     照れた様子で笑うカケル。そんなこと言われたら、俺、俺……っ!
    「あらら! タイガきゅ~ん、またお耳出ちゃってるよん?」
     カケルは楽しそうに笑って、俺の耳を優しく揉む。だめだ、だめだカケル。そんなことされたら……。
    「フーッ、フーッ」
    「……もう一回、する?」
    「……する」
     やっぱりカケルは、優しい。大好き。今度は俺も、優しくする。
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    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207