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    さくみ

    @poisaku393

    随時ラクガキか小説更新。大分やりたい放題。なお、勝手に消すことあるます。気に入った、刺さったものあればリアクション、感想等どうぞ🌠

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    さくみ

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    シンクのモヤモヤな超小話

    嵌らないピース────なんでなんだよあの人…

    「シンク聞いてんのかー?」
    「うるさい!何の用」
    横からガンガンギャンギャン吼えるように呼びかけて来るルークにウンザリしながら、聴いていたイヤホンを外した。
    (なんでこうなる…)
    学年が違うから対応したくないのに、どれだけ追い払っても全く懲りないルークはまたしてもシンクに近寄る。自分のパーソナルスペースにグイグイ入って来て正直面倒臭いはずなのに、でも何故か無下に扱えないのがルーク。
    「聞いてるかって!んでさぁ、アッシュがグチグチ言うんだよな、マジ面倒でかったりぃってーの!」
    「僕からすればアンタの方が面倒でかったるいタイプなんだけど?毎回毎回何?いくらトモダチ作る根性はないくせに僕に来る根性は何なの?」
    「だー、うるせぇーいいじゃん別に!先輩と後輩が仲良くしたってバチ当たんねえから!」
    (マジでだる絡みも大概にして欲しいんだけど)
    とは面と向かっては結局言わないでしまうの自身にもシンクは面倒になった。

    ────その日、街は猛吹雪だった。

    電車が止まってしまい、動き出すまで時間を潰すしかない生徒ら。シンクも部活がなかった日なので、仕方なく交通の便が解除されるまで教室で時間潰ししようとしたらルークに見つかり絡まれたのだ。
    「シンクさ、どこに住んでんの?」
    「なんでアンタに個人情報教えなきゃいけないの?」
    「俺普段はチャリだけど、今日は車が迎えに来るからさ、乗せてやろうかと思って!」
    「オココロヅカイカンシャシマスガボクハアンタトハカエラナイノデオキヅカイナク!」
    一息で吐いた言葉のナイフ。これ以上入って来ないで欲しい拒絶。効いたか知らずかルークはムスッとしたが。
    「…心の底からの断りかよ。一緒に帰りたかったのによ」
    また一打。吐いても跳ね返して来るのだ。
    「…何なのアンタ…マジでやめてよ。そんなに僕が気になるの?」
    まるで一方通行に想われてる感がある。そんな趣味はない。
    「前言ったじゃん?運命的レベルでなんか気になるって。マジだぞ?」
    「バッカじゃないの!悪いけど、男に惚れるような趣味僕にはないから!」
    席を立つ。もうウンザリだ。上流階級は話の通じないヤツらばかりと逃げるように教室を出る。
    「おいシンク!」
    ルークは追いかけて来なかった。
    ☆°.・.。*☆°.・.。*☆°.・.。*☆°.・.。*☆°.・.。*☆°
    翌日の休日。
    街中でシンクは朱色をたまたま見付けてしまった。
    (ゲッ…なんで)
    思わず物陰に隠れてしまったが、彼はどうやら今日は1人ではなく、隣に誰かがいる。あれは、ルークと同じ部活にいる最上級生のユーリだ。会話しながらも、頭をぐしゃぐしゃに掻き回されてギーッとムキになっているが、満更でもなさそうなルークがそこにいた。
    「なんだ、トモダチじゃないけど親しいのは他にいるんじゃん。呆れた…」
    なら付きまとわないで欲しいはずなのに。
    思い出したのは、『先輩と後輩が仲良くしたってバチ当たんねえから!』。友人でなくともルークが親しくする人間は他にもいる。ユーリもルークからすれば仲の良い方の先輩なんだろう。
    (変な気分…)
    ただ、今日その隣にいるのは自身ではないのが妙に居心地が良くない。
    「────なんでなんだよあの人…」
    毎回勝手に人のパーソナルスペースにズカズカ入ってだる絡みしてくるかと思えば学校外では、別の人の前では自身の全然知らない楽しそうな顔をしているのだ。
    (前からそう。意味が分からない…)
    モヤっとする何かの正体をシンクはまだ、知らない。
    END



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    recommended works

    sheera_sot

    DOODLE頭が煮えるほどあつい火曜日、閉店間際のスーパーで永遠の向こうにあるものに気がついたことの話をしてください。
    #shindanmaker #さみしいなにかをかく
    https://shindanmaker.com/595943
    こちらで書いたものです。バンユキだけど万理しか出てこない。
    バニラアイスが溶けるまで 見切り品の野菜の棚から少しくたびれた小松菜を手に取る。煮浸しでなら食べられそうだし、野菜しか食べない線の細いあいつには丁度いいおかずになる。自分用に半額シールの貼られた唐揚げもカゴに入れてレジに並ぶ前、冷凍ケースのアイスクリームがいやにおいしそうに見えた。
     スーパーを出れば日も暮れているというのに茹だるような暑さが待っている。部屋まで歩いて十分、少し溶けてしまうかもしれないけれど買って帰ればきっと千も喜ぶし。バニラアイスを一つだけカゴに増やして、列に並ぶ。
     俺の一つ前にはワイシャツの男がいて、エネルギーバーと栄養ドリンクだけを持っていた。カバンも持っていないから、多分中抜けして食べ物だけ調達しにきたという感じだ。お仕事お疲れ様です、なんて思いながらちらりと様子を伺う。限界まで緩められたネクタイに少しくたびれを感じるけれど、その目はなんだか生き生きしていた。こうやって打ち込める仕事をその人はしているのだろう。なんだか、羨ましい。
    642

    Remma_KTG

    DOODLE診断メーカーで出たやつ書いてみた。

    蓮魔の長晋のBL本は
    【題】柔い眼
    【帯】物にも人にも執着しない貴方が怖い
    【書き出し】雨に混じるよく知った匂いを気づかれないように吸い込んだ。
    です

    #限界オタクのBL本 #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/878367
    柔い眼 雨に混じるよく知った匂いを気づかれないように吸い込んだ。墓から線香の匂いを連れてきていて、それが妙になじんでいた。
     同じ傘に入る男の肩が濡れている。長可はそっと傘を傾けて彼の体を影に入れたが長い髪はどうしても濡れてしまう。片手で髪を引き寄せて、雑にまとめて肩に載せてやる。長可より背の低い男の表情かおは、前髪で隠れてしまってこちらには見えない。
    「……悪い。片手じゃうまくまとまらねえわ」
    「帰ったら切るんだ、そのままでいい」
     さっきまで他の話をしていた高杉は、一瞬だけこちらに反応をよこしてまた元の話の続きに戻った。駅近のガード下にある特定の条件を満たした時にだけ現れる謎の古本屋があってなかなか手に入らない希少な本を取り扱っているんだとか、金品では売ってくれず他の代価を要求されるんだとか。そんな眉唾な噂話をわくわくした様子ですらすら話す。適当にあいづちを打ちながらほどけてまた雨に濡れ始めた髪をそっと集めた。
    1132

    kinotokko

    DOODLEいつもの突然始まって突然終わる。自分以外置いてきぼりメモ。帰りの電車が暇だったのがわるい。

    ツラアズへのお題は『君の「大丈夫」が、大嫌い』です。
    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/392860
    色々問題は山積みだったが、いつも通りアズサには笑って「大丈夫、大丈夫」と答えた。その途端、今まで心配そうに困り顔をしていただけのアズサが
    「は?『大丈夫』?今のツラヌキが大丈夫なわけないでしょ!何処をどう見たら大丈夫だって言えるわけ?頼りなさいよ?みんなも、私もいるでしょ?大切だから迷惑掛けたくないって思ってくれてるのかもしれないけど……でも私も大切だから間に合ううちに頼ってほしいの私は。……ツラヌキだって大切な人が頼ってくれたら嬉しく、ない?」
    怒るみたいに叱るみたいに烈火の如く喋りだしたが段々と声が詰まり、最後の方は不安そうに涙目でコチラを伺いながら「それとも、大切ですら……なかった?」と聞いてきた。脳裏に父親が『大丈夫、大丈夫!』と自分の頭を撫でる姿を思い出した。大丈夫では、なかったのだ。あの時は自分が頼りないのが腹立たしかった。頼ってもらえないのが悲しかった。あの時のオレは今のアズサみたいな顔をしていただろうな。
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