眠り姫は狩人に囚われるトントンと何かを切る料理を作る音が部屋に響く。グツグツと鍋の沸騰する音から芳しい香りが部屋に広がり、今日はコンソメスープが食卓に上がると穹は知った。何かを焼く音が聞こえ、肉の焼ける音が響く。今日は豪勢だなと思うと、穹は男から与えられたタブレットでネットサーフィンを再び始めたのだ。
穹はこの男に監禁されている。穹は過去に星穹列車と言う宇宙を跨り旅する列車に乗り、ナナシビトとして星核に関する問題を解決する旅をしていた。そして星核の旅が一段落して人手を必要とせずとも何とかなる段階で列車を降り、降りた星で旅でもしながら定住しようと思っていた穹だったが、降りてその日にその場にサンポコースキが構えており、穹は驚くも目の前に現れるのは珍しく無いため文句を言おうとしたら、何か薬のような物を嗅がされて気づいたら現在の屋敷にいた。その時は何が起きたか理解出来なかったが、この寂しげな恋人が自分に害を与えることをすることは無いと思い、現在の生活に到る。
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