愛していた あるところに神の声が聞ける少女がおりました。
空からやってきた彼女はとてもとても美しい人でした。天使みたいなその人を貧しい村の住人たちは祭り上げました。
聖女と誰かが言った。
彼女の名前は聖女になってしまった。
彼女の気持ちを村の人は考えません。
なぜなら救いが欲しいから。
なぜなら縋るモノが欲しいから。
村人たちは神からの天啓が欲しいだけでした。
人を殺すほど美しい見目は誰にも見られなどしません。
聖女がやってきて何年が経ったでしょうか。
長い長い月日が経ちました。
村は災難に見舞われ続け、痩せこけていきました。
天啓は下りません。
聖女という存在も忘れ去られていきました。
高い高い塔に聖女だけが取り残されました。
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