Twillight Zone シャワーカーテンの隙間から手が出ていた。 曇らされたガラス窓越しに見るように、副次的な視界に映る青白い手だ。
ラインハルトは驚かなかった。 入浴を終えてふと顔を上げ、そんな光景に直面した人にしては珍しく、ただ先ほどまで肌に触れていた暖かい水にまだ浸かっているような感覚で、彼は突然現れた手を眺めていた。
手首から続く輪郭を視線で追うと、カーテンの後ろに立つシルエットが目に入った。 ぼろぼろのローブを着たような人影だ。 手だけが浮いているのでなければ、この後ろに人が立っていると考えるのが妥当だろう。 しかし、ラインハルトが知っている者の中に、彼が入浴している浴室に侵入してくるほど気安い者がいるかと問われれば、"見当がつかない"としか答えられない。 何の気配も出さずにそんなことが可能な人ならなおさらだ。
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