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    nanayuraha

    @nanayuraha

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    nanayuraha

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    クリテメの妄想。ハネムーンネタ目指したけど、駄目だった。

    第1回ハネムーンの地立候補戦近くの廃墟で異端者が夜な夜な集まっていると聞いたからやって来たというのに、

    「何一人で来てるんだ!?愛しの聖堂騎士も連れて出直して来い!!!」

    何故私は、村人全員に怒鳴られているのだろうか。

    「そもそもシスター、あんたが異端者いるって言えばすぐ来てくれるって言ったから信じたのに!」
    「実際、直ぐに来てくれたではありませんか。でもまさか、お一人で来られるとは…。」

    これじゃ計画が台無しだと頭を抱える村長に、はぁと溜め息をつくシスター。

    「少し待ってたら、絶対に来てくれるって。彼は近くまで来てる、そう信じようじゃないか。」
    「そこで二人とも一緒に捕まえてしまえば、我等の勝ちじゃ。その時こそ、勝利の雄叫びをあげようぞ。」

    大袈裟にポーズを決めながら大丈夫と言う道化師に、体はヨボヨボしているのに眼光の鋭い老婆。一人一人紹介していたら日がくれてしまうので、省略するけども、全員が私一人で来たことに落胆していた。

    「えっと…。一人で来て、すみません……?」

    今すぐ警戒すべきだというのにそういう気が全く起こらないのは、私を出迎えるべく村の入口に集結していた彼等の手に、大小様々なクラッカーがあるからだろうか。
    あまりに全員が落胆しているので、私は思わず謝罪してしまった。

    「いや、此方こそ折角来てくださったのに…。その、申し訳ない。」

    彼等の話を聞くと、異端者云々は全くの嘘。調査で来た私と恐らくその護衛として同行してくるクリック君を村総出でおもてなしし、気に入って貰おうと思っていたらしい。
    作戦名は、全力おもてなしで気に入ってもらってハネムーンの地として選んで貰らえたら、有名な観光地の仲間入りかも?やったね!とか。…作戦名はもう少し短くした方が良いのではと、本気でそう思う。

    「私達を祝ってくれようとしてくれたが故の行動との事で、今回は私が散歩に来ただけという事にします。でも、次はありませんから。」

    私と彼を祝ってくれようとしてくれるのは嬉しいが、虚偽の報告は駄目だろう。
    次やったら審問を受けてもらうと彼等と約束し、その時は何もせずに帰りました。

    「…そんな経緯があって、私はこの村を知ったんですよ。この山の恵みのキノコソテー、美味しいでしょう?」

    ある日、近くに来たからと、その小さな村に寄った。今度はクリック君も一緒に。
    村人達は、私達を歓迎してくれました。出来れば事前に連絡が欲しかったとは言われましたが、そこはちゃんと彼を連れてきた事で許して貰いましょう。

    「テメノスさん、貴方はまた護衛をつけずに一人で出歩いたって事ですか!?僕はあれほど…うぐ!??」
    「はい、美味しい美味しい。」

    お小言が始まりそうだった彼の口に、この村の名物料理候補の山の恵みのキノコソテーを強引に一口頬張らせた。何か言いたげな顔をしていた彼も、とても美味しかったのだろう、目を輝かせていた。
    何人かが私達の横で神に祈りを捧げたり感謝してたりしていましたが、とりあえずそっとしておきました。

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