ETD初挑戦 どうしてこうなった。どうして。
答える者など居るはずもなく、アルは落ちるに任せて意識を手放した。
突然地面が割れて落下した、それなりの広さのある地下空間。ともかく地上へ、と踏み出したその姿を見つめていたのは、人ならざるモノ達だった。アルが知る由も無く、ただ新たな獲物が来た、とほくそ笑むモノ達だけが楽し気だ。
扉を見付け、アルは警戒しながらもそっと開ける。辺りを見回し、耳をそばだて、とりあえず危険は無さそうだと足を踏み出した。しばらく歩いていると、不意に気配を感じ身構える。が、すぐに解いた。
「鏡…?」
自分が映るその姿見は大きく、縦も横もアルの倍はあろうか。何故こんな所に、と思いはしたが、先を急ごうと再び歩き出す。その足音が増えた、気がした。
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