夜更かしちゃんと調剤ちゃん廊下でドタバタと走る音と、何かを騒いでいる音が聞こえてきた。
mtddこそ至高!!!mtddこそ究極愛!!!なんて薄い本を持ちながら、布教という名の大騒ぎをしているスクエア型の眼鏡をかけ、腰に試験管のついたベルトを装着しているワドルディから二人の小さなワドルディが逃げ回っていた。
その一団の前にふらりと一人のワドルディが現れた。
ひどく濃いクマを目の下につけながらふらふらと廊下を進んでいた。
小さな二人組のワドルディがするっとふらふらしているワドルディの横をすり抜けていく。そしてそれに続くように眼鏡をかけたワドルディが抜けようとしたところで、腕をとり、くるりと回転しながら壁に縫い留めるようにして動きを封じた。
離せ!!せっかく保護者がいないのにっ!住人が増えないだろっ!!
もー君がうるさくって眠れないのよ、こっちは。布教の度に人格変わるような態度もいい加減にしてよ。
まるできぃぃっと発狂しそうなほど興奮しているスクエア眼鏡のワドルディに対してクマのあるワドルディはちょっとむっとしながら言いました。
こっわ。ねー、今日も筆頭通常運転だったー。うちの子たちに手出しすんなっつってんだろ、お前の脳みそありんこか!!!うわ、先輩も激ギレしてんじゃん。せんぱーい!だっこしてくださーい。ウェルカム、新人ちゃん!!あ、ずるい僕も!!幸せ!!!!!
なんてワイワイきゃあきゃあと楽しそうにしながら追いかけられていた二人は、お迎えに来た先輩であるワドルディとともにこの場を後にしました。
あ、夜更かしちゃん布教の邪魔しないでよー。ま、それはそれとして新刊くださーい。
落としましたー。
ふわぁぁと大あくびをしながら夜更かしちゃんと言われたワドルディは濃いクマのある目元を眠そうにこすった。
わくわく、という表情を一瞬で凍らせた調剤ちゃん。
はぁぁぁ????落としましただぁ?!じゃあ次に描くって言ってたmtddの真夜中デートの話は?
もちろん純白でーす。
目をシパシパさせながら、調剤ちゃんの剣幕に一切ひるむことなく答えていく夜更かしちゃん。
は?あんだけ書くって言ってたから資料食洗器ちゃんから巻き上げてきたんだが?その前のmtdd本だって結局他のが描きたいからって無くなったんじゃん!!!私の純情を弄びやがって…!!!
その代わり、口移しからの叡智描いたから。
ありがとうございます先生!!!!!やってくれるって信じてました!!!!!
じゃあこれね。
そういって表紙の見えない薄い本を調剤ちゃんに渡す夜更かしちゃん。
本を受け取った調剤ちゃんはうへへと笑いながら薄い本を大事そうに抱え、スタタと足早に去っていった。
うっし。逃げよっと。
そういうと夜更かしちゃんはコキコキと肩を鳴らしながら邪魔の入らない寝床を探しにその場を離れていった。
少ししてある部屋から怒号が響き渡り、スクエア眼鏡のワドルディが何かを鬼のような形相で探し回っていたそうな。
夜更しぃぃ!!!てめぇこれddkbじゃねぇかっ!!!!!