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    ほむら

    @rietokota

    SD右花メインの小説置き場です。
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    ほむら

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    Twitterにあげていた流花です。花火大会のお話。
    流花高2設定です。
    ⚠️モブ女出てきます。

    #流花
    flowering

    遠花火ーその赤に恋をしたー


    今日は地元の花火大会。
    中1までは家族で打ち上げ場所近くの海岸まで行っていたが、その年に女子に絡まれたり追いかけられたりする恐怖体験をしたためそれ以降は行っていない。
    でも今年は桜木の「花火近くで見てみてー」という一言からキャップが「あれ流川んちの近くじゃなかったっけ?」という話になり、バスケ部で見に行くことになった。
    流川の家は高校からもそう遠くない。
    だから流川目当てにおめかしをして花火大会にくる女子たちも多い。
    去年も家の前に女子がいた、なんてこともあったくらいだ。
    本音を言うと花火大会の日は家から出たくない。
    でも今年はキャップである宮城が卒業する年度であり、このメンツで思い出を作れるならとの思いで了解した。
    それにバスケ部でということはアイツも来る。

    そもそも自分は感情というものに鈍感だった。
    バスケに関すること以外で感情が動くことはあまりない。
    眠いとか、お腹すいたなどの欲求はあるが、人に対しての感情は希薄。
    単純にめんどくさい。
    特に女子からの意味のわからない好意に対してはほとほとうんざりしている。
    相手にしなければ収まるというものでもなく、常に視線を感じるし何かしらコソコソされている。
    もう慣れたといえば慣れたが。
    そこに現れたのがアイツ。
    桜木花道という意味のわからない男。
    第一印象は「なんだこいつ」だった。
    が、よくよく考えてみればオレがバスケに関係していない誰かに対してそんな感情を抱くこと自体15年間生きてきて初めてのことだった。
    そしてアイツは同じバスケ部に入部してきた。
    バスケのルールも知らず最初こそ下手くそだったが、オレも驚くほどの勢いで吸収してたった数ヶ月でスタメンまでのし上がった。
    そんなあいつのバスケを見ているのは単純に楽しかったし、何よりあいつとするバスケは今までのなにより魅力的だった。
    それにアイツとの関係性も楽。
    思ったことを思った通りぶちまけられる唯一の人間かもしれない。
    そんなある日、アイツを抱く夢を見た。
    なんでそんな夢を見たかはわからないが、起きたら夢精していた。
    もちろん精通というものをしてからはたまに自分で抜いていた。
    それすらめんどくさかったが体がそうなってしまうのだからしょうがない。
    そんな夢を見てからあいつを見る時は常にそういった目で見てしまう。
    意志の強い目、ツンとした可愛い唇、首筋に滴る汗、Tシャツの裾で汗を拭くときに見える鍛え上げられた脇腹、タンクトップからたまにのぞく乳首、休憩中座った時に見える太ももの奥…
    そして毎日のようにあいつで抜いた。
    おかしくなってしまったかもしれない、
    そう思ってしまうくらいに毎日毎日あいつのことを考えると下半身が熱くなる。
    さすがに心配になって桑田に相談した。
    桑田はそういうことに詳しそうだったし口も固そうだったから。
    最初こそ驚いてはいたがその話を聞いていくつかの質問をしてきた。
    「桜木が赤木さんと仲良く話している時どう思う?」
    「イライラする」
    「キャップと桜木って仲良いけど、2人でじゃれあってる時どう思う?」
    「離れろよって思う」
    うーん…て少し悩んだ後、
    「流川はさ、桜木に恋してるんじゃない?」
    恋?
    そんな感情知らない、多分オレの顔がそう物語っていたのだろう。
    「オレの場合恋するとその人がオレのことだけ見てくれたらいいのになとか、オレ以外の人と仲良くしていたらちょっと嫉妬しちゃったり。でもオレの方見てくれた時はこれ以上ないってくらい嬉しかったり…なんかすごく複雑な感情で説明できないんだけどさ、
    流川の話聞いてると恋なんじゃないかって思う」
    と桑田が続けた。
    「でもそれって男と女の間のもんだろ?」
    「んー…普通に、というか生殖学的にそうなるように人間ができているんだと思うけど、その感情が同性に向いても別におかしなことではないとオレは思うよ」
    それから半年間、桜木に対するこの感情がその『恋』とかいう感情なのか考えに考えてオレの出した答え。

    おれは桜木という男が好きだ。

    「おーし、じゃぁ5時半に駅集合な!」
    IHを控えた時期で練習も結構キツイ。
    でも今日はいつもより1時間早く終わり、花火大会に備える。
    束の間の休息といったやつだ。
    あいつをチラッと見るとキャップと何やら楽しそうに話している。
    聞くとはなしに聞いていると
    「焼きそばだろ、あんず飴も食いてぇし…チョコバナナも捨て難い」
    「おまえ食うことしか考えてねーな」
    「だってよ、お祭りって言ったら屋台だろ」
    あいつの楽しそうな姿を見るとこっちまで嬉しくなる。
    でもその対象がキャップなのがちょっと気に食わないけど。
    「今日桜木甚平着るって言ってたよ」
    隣で着替えていた桑田がコソッと耳打ちしてきた。
    甚平…絶対似合う。
    帰宅してシャワーを浴びてから母親に
    「今日花火大会行く」
    と告げ、浴衣を着たいと言ってみた。
    甚平姿の桜木の隣に浴衣で並んでみたいと思ったから。
    「あらあら、楓に合うサイズのものあったかしら?」
    少し丈が短いが父親が昔着ていたという黒の小千谷縮という浴衣を着付けてもらった。
    足元はビーサン。
    草履は足が痛くなるから。
    ドアを開けると
    「キャァァァァ!」
    と黄色い声。
    驚いて顔を上げると家の前に女子が数名立ってこちらを見ていた。
    マジかよ…
    本当にこういうのうんざりだ。
    一度ドアを閉めてどうしようか悩んでいたらインターホンがなった。
    まさか外にいたあいつらが…?
    怒りで文句の1つでも言ってやろうと思ったが後ろから
    「楓、バスケ部の人だって」
    と母親の声。
    そっとドアを開けると
    「こんにちは!」
    と桑田、石井、佐々岡、そして甚平を着たアイツの姿。
    目が桜木に釘付けになった。
    甚平すげー似合ってる。
    不機嫌そうにそっぽ向いてるその顔もたまんねーくらい可愛い。
    「キャップ命令で2年で流川救出してこいって言われたんだよね」
    と桑田。
    それに続けて
    「桜木似合ってるよね」
    とコソッと言ってニコッと笑う。
    流川もその言葉に頷く。
    「おめーのためにわざわざみんなで来てやったんだからなっ!さっさと行くぞ」
    それに対して
    「たのんでねー」
    なんて、本当は嬉しいのに思っているのと反対の言葉で返してしまう。
    「リョーちんから頼まれたんだよっ!」
    家から出て目的地まで向かう。
    さっき家の前にいた女子たちももちろんついてくる。
    「流川くんの浴衣姿ヤバい」
    等々、コソコソうるさい。
    「流川も大変だね」
    石井が苦笑いしながらいう。
    「こんなキツネのどこがいいんだか」
    こちらは憎まれ口を叩く。
    待ち合わせの駅に着く頃には女子の人数がいつの間にか増えていてなんかすごいことになっていた。
    駅で待っていた1年と3年全員の顔が引き攣っている。
    「お、おい…これどうなってんだよ」
    到着早々宮城が聞いてくる。
    「流川目当てです…」
    桑田が苦笑しながら答える。
    「だろーな…まぁとりあえず食いもん買いに行きつつ考えるか」
    屋台が連なる場所までみんなで移動する
    流川は真ん中に押し込められ四方からガード。
    桜木は宮城と楽しそうに話している。
    今日の宮城は浴衣を着て珍しく髪を下ろしている。
    髪を下ろした宮城はいつもよりだいぶ幼く見え、その髪を桜木が触り「リョーちん可愛いな」なんて微笑んでいて。
    そんな姿に心がジリジリと焦げる。
    そんな顔オレ以外のヤツにすんな。

    それが起こったのは本当に突然だった。
    桜木があんず飴を買っている隣でそれを見ていた時に知らない女から腕を掴まれた。
    「流川くん浴衣姿カッコいい♡」
    一瞬その場が凍りつく。
    その瞬間
    「花道っ!流川連れて逃げろ!」
    多分条件反射。
    いつも部活でキャップからしごかれているから、キャップの大声はオレたちにとってのパブロフの犬。
    言われたら考える前に体が動いてしまう。
    桜木に手を引かれて2人でダッシュで逃げる。
    どこに?
    そんなの多分お互い考えていない。
    とにかく人のいない方いない方へただただ走った。
    走り続けてやっと人気のない海岸へ辿り着いた。
    遠くから花火の音。
    ここからは一部しか見えない。
    部活で相当な走り込みはしているが着慣れない浴衣で全力で走ったから疲労感が半端ない。
    2人でハァハァ肩で息をしてはたと気づく。
    繋がれた手。
    そこから目線を上へ移すと桜木と視線が絡んだ。
    いつもと違う熱の籠った視線。
    「桜木…?」
    その声にハッ!と我に返ったのか
    「あ、悪ぃ…」
    手を解こうとする。
    やだ、まだこうしていたい。
    解かれそうになる手に力を込め引き寄せるとバランスを崩した桜木の体がオレの胸へ倒れ込んできた。
    と同時にふわっと桜木の匂い。
    スーッと吸い込んで
    「桜木好きだ」
    無意識に口をついて出ていた言葉。
    その言葉に腕の中の桜木の体が強張ったのがわかった。
    多分オレの言葉に桜木は混乱している。
    あたりまえだ、急に男からこんなこと言われたら。
    でもしょうがない、言おうと思って出た言葉ではないし言ってしまったものは取り消せない。
    「…それ…どういう意味だよ」
    オレの肩に顔を埋めながら小さい声で呟く。
    「そのまんまの意味」
    「オレ男だし」
    「知ってる」
    「デカいし」
    「うん、それも知ってる」
    「…すきって、つまり、」
    肩にある桜木の顔を上げさせて唇を重ねた。
    驚いた顔の桜木。
    「こういう好きってこと」
    花火の灯りに照らされて真っ赤な桜木の顔が浮かび上がる。
    「おめーはどうなんだよ、こんな簡単にオレにキスさせて」
    「うるせー!てめーが急に襲ってきたんだろ!」
    「嫌なら突き飛ばしたり殴ったりできただろーが」
    「…じゃねぇ」
    「あ?」
    「いやじゃねーっつてんだよ!」
    驚いた。
    それって、それじゃぁ…
    「こーゆうのはちゃんとおへんじいただいてからすんもんだろーがっ!これだから恋愛経験ないヤツは…」
    「じゃあ早く返事しろ」
    桜木の肩を掴む。

    早く
    オレのことを好きって言え。

    「ウッセーな…オレも、お前が…ス、スk…」
    最後まで聞く前に唇を塞いだ。
    「うれしい」
    フッと顔が緩んだのが自分でもわかった。
    「!…おまえも笑うんだな」
    ちょっと驚いている桜木。
    でもなんだか嬉しそうだからまいっか。

    遠くで天高く打ち上げられた花火。
    弾けて強い煌めきを放ちオレ達を明るく染める。
    そんな花火よりも強く弾けて今オレ達2人を繋いだ恋心。
    目の前にいる愛しい人を抱きしめてもう一度キスをした。
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