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    招き犬

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    招き犬

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    人妻🐬がナンパされる話

    どちらも魅力的「ジェイド〜準備出来た?」
    ひょっこりとフロイドは髪を緩く結び少しお洒落な格好でジェイドを見やる。
    「後目元だけなのですが…」
    化粧台に向かって居たジェイドはフロイドの方を向く。
    服装は既に決まっていたのだろう。白いセーターに脚の曲線が見えるスラリとした黒いズボン。そして少し大きめなトレンチコートがハンガー掛かっている。
    フロイドはジェイドに近寄るとひょいっとアイシャドウパレットを手に取る。
    「オレが塗っていいー?」
    「ええ」
    ジェイドが目をつぶるとフロイドは薄紫色を指に乗せると目元に乗せ、次に濃いめの紫を1番端に乗せグラデーションを作る。
    「……ん!これでよし!」
    フロイドがそういうとジェイドはゆっくりと目を開き鏡を見て微笑んだ。
    「流石僕の旦那様です」
    「妻を着飾れるのって夫の特権じゃね?」
    オレラッキー!といいながらフロイドはジェイドの唇に口付ける。
    ジェイドはくすくすと笑いながら皮の黒手袋を着け、トレンチコートを着るとフロイドの手を握る。
    「お待たせしました。行きましょう?」
    「うん」
    フロイドはへにゃりと笑うとジェイドをエスコートしつつショッピングモールへと向かっていく。
    今日買う予定なのは食材と化粧品だ。
    先に軽いのを買う為に化粧品売り場に2人は向かう。
    「やはり休日という事もあって人が多いですね」
    「ジェイドオレから離れないでよ?」
    「無論です」
    恋人繋ぎをしながらジェイドとフロイドは目的である化粧品の場所に向かう。
    「いらっしゃいませ…っ」
    化粧品売り場の店員はおじぎをした後に顔を上げると目を見開いた後ぽっと頬を赤らめる。
    「あの、何をお探しですか?」
    「新作の口紅を見せて頂きたくて」
    「それならこちらです」
    取り出されたのはターコイズブルー色の口紅。
    普通の人なら似合わない色だがジェイドの唇に乗せられると様になっている。
    鏡を見ながらジェイドは唇を開閉させてみる。その姿に周囲の人間はチラチラとジェイドを見ていく。
    「…見てるんじゃねえぞ」
    フロイドはドスの効いた声で呟くと聞こえてしまった人は顔を青ざめながらサッと早足で去っていく。
    「ジェイド〜オレにも付けて?」
    「ええ…っ?」
    ジェイドが口紅を手にフロイドの方を向くと、フロイドはジェイドの唇に口付ける。
    「んっ…どう?」
    フロイドの唇に移ったターコイズブルー色。ジェイドは一瞬惚けた顔をした後、頬を赤くし唇を抑える。
    「に、似合ってますよ」
    「そー?ならこれにしよ!ジェイドも似合ってるし。店員さーんこれ頂戴」
    「はい、かしこまりました」
    フロイドはジェイドの言葉に笑みを浮かべると店員に告げる。
    店員は頬を赤らめながら丁寧に商品を包み手提げ袋に入れるとジェイドに手渡す。
    「おいくらですか?」
    「〜円になります」
    「オレが払うからジェイドは出さないの。カードで」
    ジェイドが財布を取り出そうとするとフロイドが手で止め自身の財布からカードを出して店員に渡す。
    ジェイドはおやおやと言いながらもフロイドの腕に身体を絡める。
    「ありがとうございますフロイド」
    「それ付けていっぱいお出かけしようねジェイド♡」
    「ええ、フロイドも一緒に付けましょうね」
    「うん、見せつけようね〜ジェイドはオレのだって」
    「ええ、フロイドは僕の素敵な旦那様だと皆さんに知らしめたいです」
    2人でくすくすと笑いながら化粧品売り場を出る。
    2人はショッピングセンターを巡りながら食材を購入し休憩がてらにベンチに座った。
    「沢山買えましたね」
    「だね〜ジェイド喉乾いてない?オレ飲み物買ってくる!」
    「ではお願いします」
    フロイドはジェイドの額に口付けると早足で自販機へと向かっていく。
    ジェイドはスマホを取り出し画面を眺めていると上から聞き慣れない声がした。
    「あの」
    「?はい?」
    ジェイドが上を向くとにこにこと微笑んでいるスーツ姿の男性の姿があった。
    「おひとりですか。よければ私とランチにでもいかがでしょう?」
    「あ、いえ。連れが居るので大丈夫です」
    ジェイドは微笑みながらも内心またか、とため息を吐いた。フロイドが居ない時に声を掛けられるのが初めてでは無いからだ。
    男はジェイドが拒絶しているにも関わらず更にぐいぐいと来る。
    「私が荷物を持ちますしお連れ様もよければ御一緒でも良いので是非とも」
    「いえ、僕は」
    「なぁにしてるの?」
    「あ、フロイド」
    男の背後から聞きなれたフロイドの声。でもその声は苛立っている様だ。
    「おや、貴方がこの方のお連れ様ですか」
    「…そうだけど」
    「いえ、良ければお2人共私とランチでも」
    「むーり」
    男の言葉を遮りフロイドはジェイドの左手を手にするとするりと手袋を脱がす。
    「オレ達、夫婦なの。なのに何で知らねえおっさんと食べに行かなきゃならない訳?」
    「あ、フロイドッ」
    失せろよ
    フロイドが睨みながらそういうとその男性は顔を歪ませながらもそれは失礼しました。と一言だけ言いその場から立ち去る。
    フロイドは最後までその男を睨みつけた後ジェイドに向き直る。
    「ジェイド…何であんな雑魚の相手してたの?」
    「ふふっ、少しは退屈しのぎになるかと…それとフロイドが他の女性に熱い視線を集めていた為の少しの嫉妬…ですかね?それよりフロイド、指輪を見せつけるのは少し恥ずかしいものなんですね」
    ジェイドが指輪を撫でながらほんの少し頬を赤らめつつくすくすと笑いそう言うと、フロイドは脱力してジェイドに抱き着く。
    「…今度から指輪見えるように手袋禁止にする?それと今度同じ事したらお仕置きだからね」
    「それでは手が寒いでは無いですか。…お仕置ですか?おやおや、それは怖くて僕泣いちゃいますね」
    「寒いならオレが手を握るから。後はい嘘。ってかもう帰ろ、萎えた」
    フロイドがジェイドに買ってきた飲み物を渡すと全ての荷物を持ち片手をジェイドに差し出す。
    ジェイドは嬉しそうな雰囲気を出しながらその手を掴み、2人は自分達の巣へと帰って行った。
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