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    JvJz6

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    [シルマレ]
    ⚠️いきなりモブ♀登場
    モブ♀目線
    死ネタ
    メモ書きと思って大目に見て頂けるとありがたいです。
    -------------------------------------------

    木の実や茸取りをし、もう少しもう少しと森深くまで来てしまった少女。
    いつもはもっと手前で引き返すのだけれども…。そろそろ引き返そうかと向き直った途端にポツポツと降り始める雨。
    本降りになる前に森をでないとと、足早になった途端に前も見えないほどのスコール。
    慌てて雨宿りの場所を探すと、突然現れた教会のような建物。ようなとは象徴的な十字架が掲げられていないからだ。
    誰かの家なのかもしれない…しかしこんな豪雨で辺りは暗いのに漏れる灯もない…玄関と思われる扉をノックする。返事はない…。
    人は既に住んでいない空き家なのかもしれない。
    少女は恐る恐る扉に手をかけると鍵はかかっていないようだ。中を覗くとやはり真っ暗で人の気配はない。雨がせめて小降りになるまで雨宿りさせたら貰おうと室内に足を踏み入れる。
    暗闇でよく見えない。その時、外に閃光が走った。一瞬の光りで照らされた部屋の中は、やはり教会の様な作りで、扉から入って通常は掲げられている真っ正面の壁には十字架はないものの祭壇らしきものが見えた。そしてそこには大きな箱のようなものが…。
    途端に鳴り響く雷鳴。ヒッと思わず耳を塞ぐ…。怖い…。せめて明かりが欲しいと思う。
    再度光る閃光。少女は大きな箱の近くにキャンドルスタンドのようなものが見えた気がした。もしかすると近くに火をつけるものもあるかもしれない…。
    夜目にも慣れはじめたのもあり、途中何度が雷鳴に震えながらもゆっくりとゆっくりと近づく
    やはりキャンドルスタンドがそこにはあり、好都合にもキャンドルが全てに刺さっており、おあつらえ向きに横にはマッチも添えてある。
    有り難くキャンドルに火を灯すと、ぼぉっと浮かび上がる室内。
    すると見えてきた大きな箱…いや…それは棺桶にみえた。
    形は棺桶なのだが透明なのだ。通常の棺桶はこんな透明ではない…
    中には何が入っているのだろうか?
    興味を抱き、顔を近づけて覗き込む、そこには白い花々が敷き詰められていた。
    更によくよくみていると閃光が走る。
    その明るい光により見えたのは銀髪の美しい青年が目を閉じ横たわる姿と、敷き詰められた白い花々とは別に箱の上に置かれた二輪の花。
    それは紛れもなく棺桶であった。
    少女は棺桶の中の遺体をよくみるためにキャンドルを台から取り、近づける。
    今まで見たことが無い程美しい青年であった。
    もう、目が離せなかった。あんなに怖かった雷もどこか遠くに聞こえる。
    少女はその青年を見つめているうちに眠ってしまったようだった。
    気が付けば朝陽が差し込み部屋の中を光に溢れさせていた。
    棺桶を覗けは暗がりでみた時より更に美しい青年の顔が良く見えた。
    ふと違和感に気が付く。なに?よくよく観察すれば、昨夜二輪であった花が三輪に増えていた。
    これは……
    そんな考えを巡らそうとしたときに、そこかしこから少女の名を呼ぶ大勢の声が聞こえ始める。
    少女は我に返る。帰らぬ娘を心配した親が村の人々と共に探しに来てくれたのだろう。帰らねば。
    だが後ろ髪は引かれる。
    再度棺桶の中の美しい青年を見る。
    いつもよりは森の奥には来たが、木の実や茸の荷物を持っていても息が切れるほどではなかった。おそらく再びこれなくはない場所だ。帰りに道を覚えればいい。そう思い名前を呼ぶ大人たちの方に足を向ける

    ***

    少女はそれから度々この美しい青年の遺体に会いにきていた。
    おそらく自分以外にもこの青年を弔う者がいる。なぜなら棺桶の上に置かれている花が一輪ずつ増えていき、何日か経つとまた一輪に戻り、また一輪ずつ増えていくのを繰り返してる事がわかったのだ。
    そして、この遺体は腐敗もしない…。強力な薬品が塗りこまれているか、もしくは魔術がかかっているのか……おそらく後者であろう。
    そう思いながら少女は今日も透明な棺桶で眠る美しい銀髪の青年を眺めていた。
    そうだ今日は私も花を用意してきたのだった。
    毎日一輪ずつ捧げられる花に習って、少女も毎日ではないが、たまに花を手向けていた。
    そっと棺桶の上に持ってきた赤い薔薇を捧げる。
    「ふふふ、そうか君がシルバーに花を添えてくれていたのか」
    後方から聞こえた声に驚き振り返ると、そこには棺桶で眠る青年と勝るとも劣らない程美しい黒髪の背の高い青年。
    近寄ってくる彼の頭には立派な角が二つ……
    「シルバーも喜んでいるだろう」
    愛おしそうに棺桶の上から撫でる。
    彼の手には一輪の花…
    そうかこの人が毎日花を……
    そして…………
    彼も……
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