不思議なダンジョン この世界には不思議なダンジョンがあるという。入るたびに地形が変わり、罠やアイテムの場所さえ変化する。二つと同じ構造はなく、冒険者はこぞって最深部を目指すという。
そのダンジョンに挑む者たちがいた。
「ねえ、ほんとにこっちで合ってるのかな?」
ダイは松明をかざした。現在は十五階。ここまでは難なく進んできたが、階段を見つけられないでいた。
「ここに印が付けてあるから間違いねぇよ」
ポップは壁の印を指差して言う。ダンジョンで迷わないために一度通った場所には印をつけるようにしていた。これはアバンから習った方法であり、ポップは覚えていたそれを実践していた。
「でもこっちにも印があるわ」
マァムは進もうとしていた方向の壁に触れる。そこにはポップが書いていた印と同じものがあった。それを見てポップはおかしいなと首を傾げる。
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