まんじゅうこわい日常系じんわり怪談。
※びっくり・スリラー・ミステリー・退治物ではありません。
※原作にはないサニキャス・無線機等が出てきます。
歌仙は自室に卓袱台(ちゃぶだい)をだして、いつものように無線機の電源を入れた。
2200年代ではローテク扱いされたり時代錯誤と言われることもあるが、この時代の無線機は素晴らしい性能をもっていて、よほどの状況でなければ、音声にノイズが混(ま)じることはない。
歌仙の手元の無線通信機は、通信状態でも美しい夜の静寂(せいじゃく)をつくりだす。
無線機とは、書いて字のとおり、無線で送受信できる通信機のことだ。横文字で書くとトランシーバー。それ自体が送信機であり受信機で、同じ周波数に合わせたトランシーバーを同じように携帯している者と、決まった距離のあいだでしか使用できない。
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