蛍取り合い合戦(なんでこんなことに……)
目の前でバチバチと火花を散らす少年2人に溜息をつく。
どうすればいいのか皆目見当もつかなかった。
──事の発端は万葉からのお誘いだ。
ある昼下がり。
モラ不足の為、璃月港でトレジャーハントをしていると。
「蛍」
独特な落ち着きのある声がした。
確信を持って振り向くと、案の定そこには。
「か、万葉!なんでここに」
流浪の少年・楓原万葉が立っていた。
取りこぼした聖遺物を探して乙女らしからぬ四つん這いっぷりを晒していたもので、慌てて飛び起きる。
「たまには拙者から声を掛けてお主を驚かすのも一興と思ってな」
あまりにもレアな光景に脳内スパークを起こしてしまい百面相する。
基本的に超・自由人な彼は、何処で何をしているのか誰も把握していない。
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