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    yanagikumiko

    @TNuvMe8rYajgHBH

    好きなジャンルの小説を書いています。
    プロフはyukiさんに描いていただきました。

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    yanagikumiko

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    万聖街 リンニク R15くらい
    お友達のお誕生日に書きました。

    #リンニク
    blinnik

     背後に気配を感じたのは、公園のベンチでボケっと一休みしている時だった。振り向かなくても気配や臭いでどこの誰なのかはわかる。
    「……地獄の保健組合がなんの用だよ」
    「ニック、キミには数週間前に悪魔ドッグを受けてもらっていたね」
    「ああ? ……ああ、そういえばそんなものも受けた記憶があるな。でもどこも異常無しだろう? 俺はまだ若いし、この通り元気だ」
    「確かにキミの臓器には異常がなかったよ。魔力量も多い。いや、多すぎると言った方がいいかな」
    「ん? なんだ、引っ掛かる言い方するな。用件は手短に頼むぜ、俺だって暇じゃない」
    この時ニックは初めて後ろを振り返り、保険組合と名乗る悪魔を見た。三角の帽子を被り、ニックの拳ほどあるだろう大きな義眼を付けた小さな男だ。
    そいつが数枚の紙の束を眺めてから、ニックに目を移した。
    「ニック、キミのフェロモン量が異常な数値を示している」
    「フェロモン量? なんだよそれ。ホルモン量ではなくてか?」
    「ああ、フェロモンの数値だ。個体にも差があるが、ニックは普通の悪魔の10倍は高い異常な数値になっていてね。このままでは危険だということで知らせに来たんだ」
    「待て待て待て、フェロモンの数値が高いことってどういうことだよ? 俺がナイスガイだという証明になるってことじゃねえのか?」
    「何度も言っているが、キミが保持している数値が異常なのが問題なんだ。このままではインキュバスになってしまうぞ」
    「は……?」
     はあ〜〜〜〜〜?!!!


    ⭐︎
    「それでこんなところでメソメソと泣いているのか」
    「うるせー」
     インキュバス宣告をされてから、ほとんど灰の状態でマンションにたどり着いた。ワイワイ騒がしい中でなら一時しのぎだったとしても気持ちが癒されるだろう。そう思ったのに……今日に限って203号室には誰もいない!
     ニールもアイラもダーマオもアブーも……! なんだって言うんだ、今一番人恋しいって言うのに、どうしてこんな日に限って……。
     ニックは悪魔だが、天に見放された気持ちで一人ぽつんとソファの上で小さく体育座りになり、誰かが帰ってくるのを待った。その数時間後にリンが帰宅したのだが、驚いているリンにあれこれ事情を聞かれているうちにニックの瞳からボロボロと涙が溢れ、鼻水まで垂れてしまう。もういい大人だってのに恥ずかしい限りだが……。だって仕方がないじゃないか、俺はインキュバスになんかなりたくない!
    「いや……お前ほとんどインキュバスのようなものじゃないか。女に変身するし」
    「女体になれることとインキュバスに成り下がるのを一緒にすんじゃねえ! 淫夢を見せることしかできない下級悪魔だぞ」
    「その下級悪魔にお前もそのうちなるってことか」
    「いやーーーー!!!」
     ニックは両手で顔を覆い泣き叫ぶ。どうして目の前のこの男は天使であるにも関わらず、辛辣なことしか言わないのか。もう少し優しくしてくれたっていいじゃないか!
     それでも「あっちに行け」と言ってしまわないのは、(リンが管理人でニックは住居人ですらないと言うのもあるが)リンに側にいて欲しかったからだ。この男は優しい言葉はかけてくれないが、一緒にいるだけで安心できる。
     ニックが一人ズッ、ズズ……と洟を啜っていると、突然リンが動いた気配がした。こんな俺を残して何処かに言ってしまうのか。そう恨みがましい目でリンを追えば、奴はなぜかニックの前に正座して座っている。
    「な、何してるんだよ……?」
     ニックはソファの上、リンは床に直座りしているせいで、リンの顔はちょうどニックの股と同じ高さになっている。男二人でいるにはかなり不思議な距離感だ。ニックが不思議がるのも無理はない。
    しかし、ニックの驚きはこれだけに留まらなかった。
    「ニック、ズボンと下着を脱げ」
    「は?」
    「ほら、私だって恥ずかしいんだから早くしろ」
    「ど、どういうことだよ突然……。下半身丸出しになれってことか?!」
    「そういうことだ」
    「な、なんで?! 嫌に決まってるだろうが!」
    「お前の中のフェロモンが多すぎるせいで困ったことになっているんだろう。それなら私がお前のフェロモンを抜いてやるって言ってるんだ」
    「はあ?! お前俺のちんこ、フェラするってことか?」
    「ふぇ……! そんな破廉恥な言葉を使うんじゃない! と、とにかく抜いてやるって言ってるんだ。こんなこと言いたくはないが、俺の気が変わる前に早く脱げ」
    「そんなの嫌に決まってるだろ! バーカッ!」
    「なんだとっ!」
     一度も頭を縦に振らないニックに業を煮やしたのか、リンは魔法のスティックを振ると強引にニックのズボンと下着をどこかに消し去ってしまった。
    「な! なにしてんだテメエ!」
     大事な部分が突然男の前に晒されて、カッと顔が赤くなる。いくらリンでも酷いじゃないかと怒りを露に声を荒げるが、リンは少しも悪びれることなくニックの肉棒を口に含んだ。
    「アッ、うあ……!」
     温かくて湿った口内は気持ちが良く、頭に血がのぼったニックでも動きを止めてしまうほどだ。舌がニックの肉棒に絡みつき、ぬるぬると動く。喉奥がキュッと時折狭まるせいで弱い鈴口までも愛撫されて、悔しいが腰がビクビクと震える。
    「あ……♡、ああ、……♡ バカ、やめへ……おっ……♡♡」
    「ふーー、ふーー」
     リンの苦しげな荒い呼吸音すらニックを昂らせた。無体を働く男を引き剥がそうとした手は結局、しがみつくようにリンの頭を掴む。
    「いっ、アッ、そ、そんな…吸う…な、ァッッ♡♡」
    「そう言う割には随分と腰が動いているぞ」
    「んっぎィ♡」
     玉袋がぎゅっと縮こまり、体のどこもかしこが火照っていく。射精感が高まって、ニックの嬌声には泣き声が混ざり始めていた。
    「あーーッ♡♡ イグ、イグ、イ、…ゥ〜〜ッ♡♡」
     舌が射精を促すように肉棒を扱き、搾り取るように動く喉奥がピュッピュと飛び出した精子をごくごくと全部飲み下す。
    「ふぅ……こんなものか」
     目元を赤らめながらもいつもと変わらず凛とした仕草で口を拭うリンに、ソファに沈んでしまったニックは「お前……本当バカ……」と恨み言を呟くしかできなかったのだった。


    ⭐︎
    「お前、本当にあんなことして良かったのかよ」
     恥ずかしさを隠すようにブスくれたままのニックに、リンは眉を顰めた。
    「仕方がないだろう。あれしか解決策がなかったのだから。それとも私以外の奴にしてもらう方が良かったか?」
    「……いや、そう言うわけじゃないが」
    「じゃあ良いじゃないか」
     良いのだろうか? ニックは掃除機を動かしながら部屋を動き回るリンを眺めながら頭の上に?マークを浮かべる。
    「誰彼構わず性的な接触を図る悪魔になられるのは私も困るから良いんだ。これも人助けだからな。まあ、お前は悪魔だが」
    「だけど……こんなのじゃまた数値が上がるかもしれねえぞ」
     もっと強い刺激でフェロモンを無くさなくては。しかし、それと言うのはつまり……。
     ふしだらな想像で顔を赤くするニックの瞳には、人差し指を口元に立てうっすらと笑みを浮かべるリンの姿が映っていた。


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    yanagikumiko

    PAST2021年ゴスマリをプレイした後に書いたもの
    なぜかどこにもアップしなかった

    またそのうちレオラギも書きたいです
    プロポーズ暗い寮内を歩いていると無意識にため息をついていた。サバナクロー寮は他の寮に比べ早く就寝する生徒が多いのも事実だが、それにしたって今は随分と夜も更けている。レオナは壁にかかっている時計にチラリと目線をやった。午前1時だ。
     どうしてこれ程までに帰寮が遅くなってしまったのかと言うと、イグニハイド寮寮長のイデアがゴーストのお姫様から求婚されてしまったせいだ。レオナからすれば勝手に結婚でもなんでもしてくれ案件だったのだが、婚約が成立してしまえばイデアはあの世行きになるようで、どうしても阻止しなければならないのだと、高身長・ハイスペック男のレオナはもれなく招集されてしまったのだ。
     どうして俺が好きでもない奴にプロポーズしなくちゃならねえ、なんて言ってやりたいところだが、結局器量の良さを発揮することなくお姫様に振られたレオナは序盤から完全なお荷物になってしまったので下手に文句も言いにくい。なんやかんやあって騒動も一段落したあとは、これまた学園長にあれこれと難癖を付けられて片付けやら諸々をこなしている内にこんな時間になってしまったと言うわけだ。
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