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    case669

    @case669

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    case669

    MEMOとりあえず支部に上げてないアデレイを忘れないように移動しとくレイヴスに手を取られた、と思った瞬間には脇の下に挟まれ容赦なく骨が折られる。
    「いったあああ」
    「痛いのか」
    「痛いに決まってるでしょ、俺を何だと思ってるの」
    「何なのかわからない」
    「ええ……」
    「分類的にはなんなんだ。人か?シガイか?それ以外の生物か?」
    「神に愛されし唯一の人間だよ」
    「眠れなくなるほどに愛されているものな」
    「五月蠅いよ」
    「誰かに代わってもらいたいと思うか?」
    「やだよ。神様の愛は俺一人占めにするんだから」
    「だからお前は嫌いなんだ」
    「ありがとう、俺も愛してるよ」
    「神様よりも?」
    「ストーカーを愛する馬鹿が何処にいる?」
    「お前の場合、それが一番幸せになれる道なんじゃないか?」
    「やる事は変わらないけれどね」
    「愛の為に死ぬ?」
    「だから愛してないって言ってるじゃん」
    「俺の事は愛しているのに?」
    「君を愛しても世界は変わらないからね」
    「やっぱりお前は嫌いだ」
    「それでも俺は君を愛してるよ」
    「ストーカーはお断りだ」
    「神から唯一愛された男の愛だよ。人間なら恭しく受け取ってよ」
    「俺の神を奪ったのはお前だ」
    「じゃあ俺が君の唯一の神様だね。神様に愛されて 902

    case669

    MEMO脱、兄レオしようと何かが足掻いてるメモらしい「あの人を止めない私の事、恨んでいるかしら」
    「それを言うならば俺の方だろう。憎く無いのか」
    「私はね、レオナ。貴方をどうやったらあの人の傍に生かさず殺さず留めて置けるか考えているような女よ」
    「は、何の為に」
    「あの人と、国の為に。ひいては私とチェカを守る為に。それ以外の理由があるかしら」
    「さすがはアイツを尻に敷いてる方だ。我が国は安泰だな」
    「貴方があの人の傍にいてくれるうちはね」
    「……」
    「……」
    「貴女は、あれの、何処に惚れて結婚したんだ」
    「……私、可愛い男の人が好きなの」
    「あれが……?」
    「男の人にはわからないかしら。素直で、一途で、いつも笑っていて。可愛いでしょう」
    「間抜けで思い込みが激しくて能天気なだけだろう」
    「そこが可愛いのよ」
    「はあ……」
    「貴方も、素直で、一途で、いつも笑ってはいないけれど……可愛いと思ってるわよ」
    「馬鹿にしてんのか」
    「愛しているのよ、家族として」
    「それはどうも」
    「だからね。……だから、もしも、本気で逃げ出したいと思ったのなら、私に相談して」
    「は?」
    「悪いようにはしないわ。……というよりも、私に心構えが欲しいだけね。きっと大 715

    case669

    MEMOだだっ子なアデレイジグナタス要塞の、宰相の部屋。
    レイヴスが数度のノックの後、返事を待たずに開けたその部屋の中に、宰相が落ちていた。
    「………」
    これが普通の人間相手ならば心配してやるべきところなのだろうが、相手はアーデンである。何を思って床の上に大の字になって転がっているのかは知らないが、ろくでもない事を考えているのだという事くらいは流石にレイヴスも身に染みて理解している。扉から机までの直線上に堂々と落ちているアーデンを踏みつけてやりたいのは山々だが、下手に突いて関わり合いにはなりたくないので投げ出された足の方から回り込んで机へとたどり着く。広げられたままの資料や書類をざっと見渡し、邪魔にはならずに目に着く場所を探して持って来た報告書をそっと置いた。本来ならば書面と共に口頭で概要をざっと説明する予定だったが、本人がこの状態なら諦めるのが吉だろう。将軍としての務めはこれで十分の筈だ。
    そうして踵を返そうとした右足が、動かなかった。思わずつんのめりそうになるのを辛うじて堪え、足元を見ればだらりと地面に寝転がったままレイヴスの右足を掴むアーデンの姿。
    「普通さあ、人が倒れてたら心配するもんじゃないのぉ?」
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