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    StrayBlueBullet

    @StrayBlueBullet

    きわどめの億仗おきば

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    StrayBlueBullet

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    億仗が仲良いだけの怪文書
    屋上でスタンドと遊んでる二人の自我と世界の見え方の話
    前半泰視点、後半助視点
    AIに半分書いてもらおうと思ったけど結局ほぼ全部直筆なので怪度が高い
    よかったらどうぞ

    ##怪文書

    あなたがここにいてほしい泰と助が仲良いだけの怪文書 多分カプではないです
    屋上でスタンドと遊んでる二人の自我と世界の見え方の話
    前半泰視点、後半助視点です
    AIに半分書いてもらおうと思ったけど結局ほぼ全部直筆です なので怪度が高いです
    よかったらどうぞ

    あなたがここにいてほしい

     クレイジー・ダイヤモンド。C.D。仗助の精神の形。
     一秒間に何十発もパンチを繰り出せるパワーとスピード、そして壊れたものや怪我を綺麗さっぱり「なおす」能力を持つ。
     強くて、やさしくて、おっかねえ。東方仗助という人間を、よく表したスタンドだと思う。

    「やっぱよォ、かっこいーよなァ。おめーのスタンド」
     俺は自分のスタンド、ザ・ハンドの眼を通して、空中に立つC.Dの姿をじーっと見ていた。
     持ち主……宿主?主人?とにかくソイツの使い手である仗助は、また言ってるよ、って感じに呆れた顔をしている。
    「も~、分かったって。さっきから何べん言ってんだよォ。……それによ、おめーだって良いスタンド持ってんだから、たまにはそっちもちゃんと見てやったらどうよ」
     昼休み。暇をしている俺たちは、二人並んで屋上の地べたに座って、お互いのスタンドがお互いを見つめているところを、見ている。ややこしいけど、スタンドというもう一人の自分を持ってる俺たちは、時々こうして遊ぶことがあった。
    「ンだよ、ジョーチョの無ェ奴だな。オメー、鏡で自分のツラ見て何が楽しいってんだよォ。…いや、楽しいだろーな、テメーは、コンチクショー!」
    「だぁ~もう、何だよ~……」
     コイツはきっと、「かっこいい」と言われ慣れてる奴だから、そんな言葉が出るんだ。悔しいけど、コイツが「かっこいい」のは、まあ、事実なんだよなあ。
     俺はってーと、鏡を見るのはあんまし好きじゃあない。ばっさり傷の入ったツラに、歳の割に多すぎる白髪に、向き合うのはもう飽きてる。見てても良い気分にはならない。
     自分のスタンド……ザ・ハンドを見ている時は、めちゃくちゃ嫌だってわけでもねえけど……あの車のライトみたいな目とか、それを半分隠すみたいな顔の部品とか、中身があるのかも分かんねえポッカリした口とか、見てると我ながらゾッとするものがある。
     そんなロボットみたいな頭が、ヒトに限りなく近い胴体にくっついてるってのも、正直、不気味だ。名前の由来でもあるその右手が、モノや空間を削り取って、どことも分からないどこかへ捨ててしまうことも含めて、得体が知れない。
     俺はこういう人間なのか、と思うと、逆に自分が分からなくなりそうになる。だから、俺はスタンドについて、あんまりあれこれ考えねえ。自分の腕よりちょっと遠くまでとどいて、オマケに超能力がくっついてる、マジックハンドみたいなもんだと思うようにしている。
     ……ぴったりじゃん。

    「じゃあさ、オメーはどうなんだよ。たまに自分のスタンド見て『今日は顔色悪ィなァ』とか、『今日はココんトコにハートが一個多いなァ』とか、思ったことあんの?」
    「何が『じゃあさ』なんだよ。……そりゃあ、そんなん、ねーけど」
    「だろォ!?俺もねーもん」
    「……も~~、何なんだよコイツはよォ~~、意味わかんねェ……」
     仗助はガックリと、体育座りの膝の中に顔を落とす。笑いのテンドンってやつみたいに、俺の期待してた反応をちゃんと返してくれる。それだけでなく、半分本気で呆れてくれていたことが、C.Dの表情からも見て取れた。
     俺はC.Dを見るのが結構好きだ。コイツは本当に、仗助によく似ている。背が高くて、筋肉質だけど無駄がなくて、立ち姿とかシルエットなんかもソックリだ。
     仮面みたいなものに覆われていても、顔つきや目の色が似ているのがよく分かる。分厚くてぷにっとした唇まで、仗助とおんなじ。普段は無表情だけど、たまに仗助と一緒に驚いたりげんなりしたりして、そん時の顔はまるで兄弟みたいで面白い。
     体のあちこちにギラギラした鎧みたいなのがくっついてて、それがところどころハートの形をしてるのも、何だかカワイイ。仗助はハートのアクセサリーが好きなんだろう、学ランにも沢山つけているのが思い出される。さらには頭のてっぺんまで、同じハート型なのだ。それもまた、リーゼントに固めた仗助の髪型にちょっと似ているような気がする。
     コイツの姿を、その能力を、目の当たりにしたスタンド使いは、きっとみんな思うだろう。
     まさに東方仗助のスタンド、と。
     何より、この手。この手が俺は好きだった。
     ザ・ハンドの左手に、目の前にいるC.Dの手を取らせる。スタンド越しに感じる手のひらの感触は、見た感じほど固くない。人間みたいに肉感があって、なんとなくあったかい。
     俺は、この手に何度も助けられてきた。
     初めて会った日、ついさっきまで敵として戦ってた俺の命を拾ってくれて。俺が目をえぐられても腕をもがれても、何度も何度も治してくれて。殺人鬼との凄まじい戦いの時だって、この手が穴の空いた腹を塞いでくれていなかったら。俺は杜王町に戻れないまま、死んでた。
     命の恩人。気のおけない親友。そういう奴の心の塊。仗助の中の、一番堅くて曲げられないところで、同時にきっと一番脆いところ。
     この何でもない遊び時間のために、そんな大事な部分を、お互いに触れ合わせていると思うと。あのとんでもねえ力を、俺を攻撃することには決して使わねえで、こうして手を預けてくれていると思うと。
     なんだかギューっとなる。俺、良い思いしてるなあ、って気になる。

     真横に座っている仗助を見る。立てた膝に頬杖をついてて、表情はよく見えない。
     代わりに目を閉じて、ザ・ハンドの眼に自分の眼を重ねるみたいに神経を集中させる。もう一人の俺の前にいるC.Dは、少し目を伏せて、握られた方の手を見ている。左手に、きゅっと握り返される感触がある。
     なんつーか、すごく大事にされてるような、労わられてるような気がして、目がシパシパした。もう一度仗助を見ると、今度はそっぽを向いちまってた。かろうじて見える耳がほんの少し赤かった。
     ……なんだよ、照れてんのかよ。オメーがやったくせに。コイツ、クールぶってても、こういう所は結構ウブだったりするんだよな。
     ……妙な空気になる前に、興味をもっと別のところにやろうとした。ザ・ハンドの視点から、何か話のタネは無ェかと探していると、ふと、日の光を受けてギラつくそれが目に止まる。
     金属っぽいもので出来た、管。C.Dの首や肩の辺りから背中にかけて、合わせて6本生えているもの。
     そういやコレ、何なんだろう。人間には無いものが、人間みたいな姿のソイツに生えているのが余計に気になる。機械のパイプのようにも、外に飛び出した血管のようにも見える。切れたりしたのを見たことは無ェけど、血が通ってたりするんだろうか。
     つい手が伸びる。
     痛みや感覚が本体と連動している、スタンドの身体。人間で言ったら、「ソレ」はどこにあたるんだろう。
     気になる。気になるって気持ちに任せて、ザ・ハンドの手がどんどん前へ向かう。こういうところは、俺の分身だなあとぼんやり思う。
     やがて、その銀の管に、指先が届こうとしたその時。

    「「うぉッ!?」」
     首筋にぞわぞわっとする感覚が走って、思わず悲鳴をあげて飛び上がる。いつも詰襟を着てるからバレないけど、俺はこの首のあたり、触られるのにスゲー弱い。
     直感で分かった。これはヒトの手の感触だ。ザ・ハンドの首元に、C.Dが触れたんだ。たぶん、俺の学ランの襟と同じく、オカネのマークがついてる辺り。
     な、なんで?こっちが触りに来るのを分かってて、やり返してきたのか?
     訳が分からなくて仗助を見たら、なぜか俺と同じように転がっていた。首の後ろのあたりを両手で押さえて、見たことない変な顔して冷や汗をかいている。
    「じょ、仗助、なんで?なんで分かった?」
    「は、はぁ?何がだよ、おめー今、俺に触られたからやり返したんじゃ」
     ???
     俺たちの間にハテナが飛ぶ。
     二人とも首を押さえて、似たようなトンチキなポーズを取って。
     ……もしかして俺達、同時に同じこと考えて、同じちょっかい出して、同じダメージ受けてたってこと?
    「……えと、オメー、もしかして首弱いの?」
    「お、おめーこそ、その庇いっぷりは、そーなんだろ」
    「ヘヘ、や、悪ぃな、つい気になって、手が勝手によ……あの管、なんなの?」
    「し、知らね……はは、おめーのスタンドこそ、何なんだよ、あの首に引っかけてるやつ」
    「ひ、引っかけてる……!?オメー、別にあれ、飾りとかじゃあねーよ多分、ヒヒ、はははっ」
     へへへ、ははは。お互い考えることと弱点が似てるってのが、どうしようもなく笑えてくる。同じことで仗助も笑ってるのが余計におかしくて、笑い声が合わせ鏡みたいに跳ね返って膨らんでいく。
     ひとしきり笑って落ち着くと、お互いの顔を見て、また吹き出してしまう。肩を叩きあって笑って、スタンド達に呆れられてるんじゃあねーかってくらい。
     ああ、なんか、これでいいや、って思う。
     自分のようで自分でない、そういうものを見せ合って、ソイツの目線からお互いを見る。それはそれで新しく分かるものもあるけど、そんな難しい遊びの後は、こうして「本体」同士で単純に笑ってるのが、一番いい。
     東方仗助。俺はコイツが好きで、コイツらのいるこの町が好きで、コイツの心の形が好き。その近くに居てもいいってんなら、俺の心の形は、ザ・ハンドは、たぶんそんなに悪いもんじゃあない。
     それでいい。

     昼休み終わりのチャイムが鳴る。仗助ともつれ合いながら、なんとか立ち上がって教室を目指した。



     ザ・ハンド。実にシンプルな名前がアイツらしい、億泰の精神の形。
     人間の限界を遥かに上回るパワーとスピード、そして右手に触れた物や空間そのものを綺麗さっぱり「削り取る」能力を持つ。
     やり方は大雑把だけど、恐ろしい力を備えていて、侮れない。虹村億泰という人間を、よく表したスタンドだと思う。

    「やっぱよォ、かっこいーよなァ。おめーのスタンド」
     俺のスタンド、C.D──クレイジー・ダイヤモンド──をまじまじと見つめながら、億泰は言った。俺のC.Dと億泰のザ・ハンドは、俺達の前で向かい合うように空中に佇んでいる。
     億泰からこんな台詞を聞かされたのも、もう4回目だ。
    「も~、分かったって。さっきから何べん言ってんだよォ。……それによ、おめーだって良いスタンド持ってんだから、たまにはそっちもちゃんと見てやったらどうよ」
     昼休み。暇を持て余した俺たちは、二人並んで屋上の地べたに座って、互いのスタンドが互いを見つめているのを、見ている。スタンド使い同士の他愛もない遊びだ。状況を言葉にしてみると、深淵を覗く時深淵もまた……ってやつみたいに、悪趣味に思えなくもないけど。
    「ンだよ、情緒の無ェ奴だな。オメー、鏡で自分のツラ見て何が楽しいってんだよォ。…いや、楽しいだろーな、テメーは、コンチクショー!」
    「だぁ~もう、何だよ~……」
     コイツはしばしば、恐らくたわむれ半分に、俺に対して僻んでみせる。勝手にそうしたと思えば、次の瞬間勝手に立ち直るので、まあ決まり文句みたいなもんなんだろう。
     俺だって、鏡を見るのが特別楽しいってわけじゃあない。身だしなみと、大事な髪型を整えるルーティンってくらいだし。服の着こなしを確かめるのはともかくとして、この顔面や身体そのものには、昔から色々言われてきたのもあって、特別いい思い出も無い。
     自分のスタンド、C.Dを見たからって、何か特別嫌気がさすわけじゃあないけど……長い付き合いの中で、コイツが完璧じゃあないってことは痛いほどよく知っている。
     自分の傷は治せないし、部品が細かいものは散らばってしまうとうまく直せない。時々、気づいたら異様な形にひん曲げて直してしまっていた時もあるし、病気の治療もできない。何より、死んだ者に対しては、何も出来ない。
     悔しいと思うことはある。けれど、あまりコイツや俺自身を悔やんでいると、お袋とじいちゃんと「あの人」に育ててもらった俺を疑っているような気になる。だから、コイツのことはあまり悶々と考えるようなことはしないで、昔から割り切った付き合いをしている。
     ……なんてな。

    「じゃあさ、オメーはどうなんだよ。たまに自分のスタンド見て『今日は顔色悪ィなァ』とか、『今日はココんトコにハートが一個多いなァ』とか、思ったことあんの?」
    「何が『じゃあさ』なんだよ。……そりゃあ、そんなん、ねーけど」
    「だろォ!?俺もねーもん」
    「……も~~、何なんだよコイツはよォ~~、意味わかんねェ……」
     大げさにガックリこうべを垂れながら、マジめに意味の分からない億泰の言葉を受け流す。コイツは単純なようで、案外掴みどころのない独特の思考回路を持っていて、敵わないなと思うことがよくある。ザ・ハンドが見せる、底の知れないような表情も、コイツ由来と思うと何となく納得がいく。
     俺はザ・ハンドを結構気に入っている。背が高くて、肩や背中がガッシリしていて、いかついけれど所々丸っこくて愛嬌がある。こう言ってみると、本体との共通点は案外多いのかもしれない。
     顔のデザインは、なんとなく億泰の兄貴のスタンドに似ていると思う。あの兵隊の一人をでかくして、プロテクターを着せたみたいな。億泰は、家庭の抱える問題にずっと兄弟ふたりきりで立ち向かっていたから、その兄貴に付き従ってた名残みたいなものなんだろうか。
     ブリキの人形みたいな頭の形に対して、首から下は何というか、随分ヒトっぽい。億泰と同じく、体のあちこちに$だの¥だの通貨のマークが入っている。これは兄貴には無かった、億泰だけのトレードマークだ。名前の「億」から連想したのだろうけど、そのド直球で奇抜ともとれるセンス、俺は密かに一目置いている。
     コイツや億泰を初めのうちナメてかかる奴もいるけれど、そういう奴は絶対にコイツを打ち負かすことなどできない。コイツらをバカと言っていいのは、俺みたいな、冗談を言い合えるくらいのダチだけなのだ。
     何より、この手。この手が俺は好きだった。
     タイミングよく、ザ・ハンドの左手がC.Dの手を取る。スタンドの手の感触というのは案外本体のそれに似ている。大きくて厚くて質量があって、無骨にガサついていて、あったかい。
     俺はこの手に何度も助けられてきた。
     初めて会った日、借りを返すと言って、死にかけた康一を助けさせてくれて。恐ろしい能力も決して人殺しには使わないで、応用させながら幾度となく俺のピンチを救ってくれて。あの殺人鬼との決戦だって、この手が差し伸べられられていなかったら。俺は杜王町を守れないまま、死んでた。
     無二の相棒。気のおけない親友。そういう奴の心の塊。億泰が絶対の誇りとする部分と、絶対に人に明かさない部分を、同時に備えた分身。
     この何でもないお遊びのために、そんな心の奥深くを、お互い突き合わせている。ザ・ハンドは、億泰は、たぶん己の危険な部分をこちらに向けないように、わざわざ「削り取らない方」の左手を差し出しくれているのだろう。
     そう思うと、なんというか、お袋がふざけてほっぺたにキスしてきた時みたいな……あの時と同じような気分になる。

     真横に座っている億泰は、体育座りの膝を抱え込んで、ぼーっと正面を見ている。
     ザ・ハンドに手を取られているC.Dと、自分の視界をリンクさせる。もう一人の俺よりもさらに大きな手が、優しく掬いとるように手のひらを触れ合わせている。
     それが、なんつーか、まるで恋人を迎えにでもきたような、やけに恭しい手つきだった。俺も思わずC.Dを通してその手を握り返してしまったが、妙に気恥ずかしくて手汗がわく。C.Dの表情に出てないといいのだけれど。顔に変な温度が集まってくるのを感じて、慌ててあっちを向いた。
     億泰にこういうトコが見つかるとロクなことがない。ちょっとでも隙を見せるとすぐさま飛びついて、「オメーのそーゆーとこ俺は好きよ」なんてからかってくるから。……ま、別にいいんだけど。
     億泰たちの様子をC.D越しに窺うと、ふと、目の前にあるそれが目に止まる。
     ザ・ハンドの首周りにある、謎のパーツ。億泰の詰襟に付いたのと同じマークが刻まれた、ヘッドホンのような形の何か。
     そういやコレ、何なんだろう。億泰はヘッドホンなんか着ける習慣は無いようだけど。チラっとコイツの背面を見た時の記憶では、確か背中をぐるっと覆うパーツに繋がっていたはず。筋肉の変形版みたいなものだろうか。まさか外れたりはしないと思うけど。
     ……つい、手が伸びる。
     本体と痛みや感覚が連動しているスタンドの身体。こんなところにも、神経は通っているのだろうか。
     ガラにもなく好奇心が湧く。C.Dの空いた手が前方へ伸びる。こんなに気になるのは何でだろう。コイツだからなのか。ソレってどうなんだ?
     うだうだ思考を渦巻かせながら、指先が触れようというその時。

    「「うぉッ!?」」
     首の後ろを撫で上げられるような感覚。思わず飛び上がって、変な声があがる。感じたことのない感触だった。まるで首の中に詰まった神経を直接羽でこちょぐられたような。
     自分のスタンドと目を合わせて、ようやく合点がいく。C.Dの首から生えている6本のパイプの一つを、ザ・ハンドが掴んだのだ。
     なんで?何を考えてるんだ?俺がそっちの首元に手を伸ばしてたのを察して、やり返してきたたってのか?
     バッと億泰のほうを見ると、なぜか俺と同じように転がっている。首周りをでかい両手でぐるっと庇って、三白眼をかっぴらいて地べたに散らかっている。
    「じょ、仗助、なんで?なんで分かった?」
    「は、はぁ?何がだよ、おめー今、俺に触られたからやり返したんじゃ」
     ???
     二人で間抜けな顔を向き合わせる。
     真似っこするみたいな、首を押さえたおかしな格好で。
     ……こいつ、俺と同じこと考えてたのか?相手のスタンドに、コレ何だろうって手ェ伸ばして、ソレに同じようにビビって?
    「……えと、オメー、もしかして首弱いの?」
    「お、おめーこそ、その庇いっぷりは、そーなんだろ」
    「ヘヘ、や、悪ぃな、つい気になって、手が勝手によ……あの管、なんなの?」
    「し、知らね……はは、おめーのスタンドこそ、何なんだよ、あの首に引っかけてるやつ」
    「ひ、引っかけてる……!?オメー、別にあれ、飾りとかじゃあねーよ多分、ヒヒ、はははっ」
     へへへ、ははは。お互い考えることと弱いところが偶然にも同じだったらしい。それがなんだかおかしくて、同じことで億泰も笑ってるのが余計に笑えてきて、互いが互いにウケてハウリングしていく。
     ようやく落ち着いたと思っても、顔を見合わせるとまたぶり返して笑ってしまう。いつもみたいに肩を叩きあって、スタンド達にも呆れられるほどに。
     なんか、こういうの、いいなって思う。
     誰にも明かしてこなかった、見えないものが見えるもの同士、そのもう一つの姿を明かして、こんなくだらないことをして。はたから見たら訳の分からない二人遊びをして、こうやって「本体」同士で単純に笑い合うってのは、なんか、スゲー良い。
     コイツが好きだなあと思う。同じスタンド使いの知り合いやダチは他にも沢山いるけど、コイツは特に気が合う。コイツが俺の、C.Dの能力を信頼してくれて、それに応えられるんなら、それは、良い付き合いなんじゃあねーの?と、思う。
     なんてな。

    昼休み終わりのチャイムが鳴る。億泰ともつれ合いながら、なんとか立ち上がって教室を目指した。
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