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    yahiro_69

    だらだららくがきおきば @yahiro_69

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    なかなか美味しい文化を見たのでぱっと形にしてみた鍾魈 匂わせだけで実際に喋ってるのは公子と旅人とパイモンだけです
    CP以外の人がよく喋るのは趣味です

    ##原神
    #鍾魈
    Zhongxiao

    幸せの贈り物「や、相棒! いいところで会ったね」

    様々な人で賑わう昼下がりの璃月。
    昼食を終えて万民堂から出てきた旅人を呼び止め、ファデュイの公子……タルタリヤがにこやかに駆け寄ってきた。
    どうせならもっと早く会いたかったぞというパイモンのぼやきを程々にスルーし、旅人は上背があるタルタリヤを見上げて首を傾げてみせた。

    「どうしたの? 今日はファデュイとか北国銀行の仕事は無いの?」
    「今日はオフなんだよ。だから冒険に連れてってくれてもいいけどー……ってそれはそれとしてだ」

    タルタリヤがポケットから小さな赤い包みを取り出し、興味深そうに覗き込んだパイモンへずいっと差し出した。

    「はい、あげるよ。おチビちゃんはお菓子とか好きだろ? 相棒と分けなよ」
    「良いのか!? へへ……公子ってばいいやつだなあ!」

    パイモンは大喜びでタルタリヤの手から包みを一つ受け取り、小さな手で器用に開いて中の物をぽいっと口へ放り込んだ。
    ほら相棒も、と差し出されたので旅人もお礼を言って遠慮なくそれを頬張る。

    「ん~~~~! 杏仁豆腐の味がする!」
    「ほんとだ、珍しい飴だね。美味しいけどこれどうしたの?」
    「さっき鍾離先生と食事をしてきてね、その時にもらったんだ。美味しかったから相棒たちにもあげようと思ってたところにちょうど見つけたから声をかけたってわけだ」

    ぱたぱたと空中で足をばたつかせて美味しい喜びを全身で表現しているパイモンとは対象的に、旅人はタルタリヤの説明を聞いて「あー……」と気の抜けた声を上げてなんともいえない表情になった。
    かと思えば荷物を改め始めたので今度はタルタリヤが首を傾げてしまった。

    「相棒? なにか気になることでもあったかな」
    「気になるっていうか……納得したっていうか……」

    不思議なやりとりをしていることに気づき、パイモンも同じように疑問符を浮かべる。
    旅人に何をしているのかと問えば「お祝いになるようなものあったかと思って」と返ってきたので二人の頭に浮かぶ疑問符はさらに数が増えていく。
    タルタリヤとパイモンが揃って首をひねるのがおかしかったのか、ついに旅人が笑い出した。

    「ごめんごめん、前に璃月の人に聞いたことがあるんだけどさ。こういうの喜糖っていうんだって」
    「しーたん? 俺もある程度璃月の文化に馴染んだつもりだったけど、聞き覚えがないなあ」

    曰く、璃月には喜糖という飴を知人に配る習慣があるらしく。
    それは婚礼の際に祝いの品として配られるものだという。
    なのでお祝いのお返しをしようとしていたと旅人が再び鞄を覗き込んだ。

    「へえ……先生が婚礼ねえ。渡されただけだから詳しいことは何も聞いてないな、それを知っていれば相手とか何があったのかとか色々聞き倒したかったのに」
    「いやあ……相手は多分、分かった、気がするなあ……」
    「あー……オイラも分かったぞ」

    苦笑いをする旅人を見てようやくタルタリヤも察したのか、にんまりと口角を釣り上げた。
    面白いことを思いついたと言わんばかりの表情に、旅人は「程々にね」とやんわり釘を刺すことしかできなかった。


    後日、望舒旅館に北国銀行名義で大きな花輪が贈られてきたとオーナーが不思議そうな顔をしているのを見て、どうやってあの少年仙人に見つからないうちに隠してしまうか旅人は頭を抱えたという。
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