ペイと花城が話してる話。「やあ、鬼王閣下。お久しぶりですね」
花城は謝憐に此処で待っててねと言われて茶屋に一人でいた。
そこに何を血迷ったのか明光将軍こと裴茗が相席し、ニヤニヤと彼を見て頬杖をついていた。
「鬼王閣下聞きましたよ。空気を渡すのにかこつけて無理矢理口づけしたのが太子殿下との初めてだったのですね?」
花城は少しだけ裴茗に目をむけた。裴茗はフムフムと頷いて何やら訳知り顔である。
「私もいけると思ったら口づけをする」
「殿下がお話になったのか?」
「ええ。ふとした会話の切欠で…とても愛嬌のある反応をされまして、聞いていけば口をつるりとね。こちらの方面に関しては本当に初心な方ですね、太子殿下は。最終的には何故か空腹を訴えながらなんでも答えてくれました。ええ。ええ。流石、鬼王閣下と思いましたよ。初めての口づけの出来事の詳細もお聞きしました。思ったのですが、死霊蝶をもっと早く出していれば…………いや、いいんですよ?城主。わかります。初めは救命措置のつもりだったかもしれませんが好いた相手と唇を重ねるというのは……うん、わかります。仕方がない。私も覚えがあります」
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