想いの詰まったタルトタタン 「ごめん、運命…」
「タクトが謝ることではありません。これは指令、なのですから…」
「でも…」
「もう!タクトってば」
そう言って運命は微笑みを浮かべた。
タクトがこうやって謝るのも運命と契約を結んだタクトが運命ではないムジカートと組んで任務をこなすというのを命じられてしまったからに他ならない。タクトとしても多くのムジカートと連携を結んできたが一番信頼できるのは運命ただ一人であった。そしてその運命と遠く離れ戦うというのは心細いものでもあった。
「タクト、」
「ん?」
名前を呼び近づいた運命はにこりとタクトに笑みを向けた。
「あなたが契約しているムジカートは?」
「運命だ」
「あなたが信頼できるのは?」
「…運命だ」
「あなたの一番のムジカートは?」
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