3月3日刹那たちCBのクルーは地上にいた。
落ち着かない中東の情勢、崩れ落ちた軌道エレベーターの仮の再興、時折迫ってくるアロウズから逃れるように母艦の修復とカタロンからの補給を受けて、今後について検討を重ねる日々の中、ふとフェルトが思い出したように、「明日、ロックオンの誕生日…」と呟いた。
ライルは単独でカタロンに出向いていっているので不在だった。カタロン所属というのは公然の秘密のようになっていたし、ライルがいるからカタロンとの交渉もうまくいく。しかしこの三人の顔を見なくてすんでよかったかもしれない。
ライルは確かにCBには欠けてはならない存在だ。けれども忘れられない、もう一人のロックオン。喪いたくなかった、大事な仲間。
1985