ツーリング季節が厚着から一枚、上着を脱ぐ頃になった。
ツーリングをするのに丁度良いと薄く埃をかぶってしまっているヘルメットのメンテナンスを始めた獄。
モノクロで統一されたデザインのヘルメットを磨き上げ、次に取り掛かったのは炎をイメージしたデザインのヘルメット。
忙しさもあり遠のいていたツーリング。
久しぶりに趣味へと身を投じれる喜びと、恋人と何処へ行こうかと考える至福の時間。
「~♪~♪・・・っ!ゴホン!」
無意識に鼻歌を奏でていた事に気が付き咳払いをする。
此処には獄しか居ないのだから浮かれていても問題はないのだが、空却から出かける了承をまだ得ていないにも関わらず浮足立っている事に気恥しくなったようだ。
何時でも出かけられるようい磨き上げたヘルメットを並べて置き、スマフォを取り出す。
『今度の休みにツーリングに行くぞ』
終